□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月1月28日第88号 ■ ============================================================== 野党は憲法9条論争に巻き込まれるな ============================================================= いよいよあす29日から予算委員会が開かれる。 国会が始まったといっても、これまでは時間つぶしのようなものだった。 施政方針演説など作文を読み上げるだけであり、本会議の代表質問のやりとりは、歌舞伎のパフォーマンスのようなものだ。 与野党の真剣勝負は予算委員会から始まるのである。 ならば野党はそこで安倍首相を追いつめなければいけない。 どうすればいいか。 ズバリ、不毛な憲法9条論争に巻き込まれることなく、安倍夫妻の疑惑を徹底追及するのだ。 なぜ憲法9条論争に巻き込まれてはいけないのか。 それは憲法9条論争は安倍夫妻の疑惑追及隠しであるからだ。 何よりも、安倍自公政権案が出て来ないうちにあれこれ議論する事は無意味であるからだ。 あの安保法案の論争の時にも私は繰り返し書いた。 安倍自公政権の成案が出ないうちに野党のほうから議論を仕掛けては馬鹿を見ると。 「成案をはやく出せ」と迫るだけでいいのだと。 まさしく憲法9条論争もそうだ。 きのう27日の東京新聞が書いた。 どうやら安倍自民党政府は、公明党に配慮し、9条2項を残したうえで、つまり現行憲法の戦力不保持という大原則を維持しながら、自衛隊を明記するだけの改正案にまとまりそうだと。 こんな腰砕けで、自己矛盾の政府案など、笑いものである。 あの安保法案の時もそうだったが、安倍首相には本気で憲法9条を改憲する覚悟はない。 あの時は解釈改憲でごまかし、今度は文言でごまかす。 安倍首相の頭にあるのは、憲法9条を自分の手で変えたという実績づくりだけなのだ。 こんな案を自民党が丸呑みし、公明党が9条改憲に応じるなら、歴史に残る恥だ。 やれるものならやってみろと突き放すだけでいいのだ。 そして、万が一、そんな成案が出てくれば、その時こそ、国民にわかる形で、徹底的に矛盾を追及すればいいのだ。 繰り返して言う。 いまこちらから、安倍首相の考えを質したり、野党の方から案を出したりするのは愚の骨頂だ。 そんなことをするよりも、あらたな疑惑が続出し、もはや逃れられない安倍夫妻の森友学園疑惑を徹底追及すべきだ。 疑惑隠しとしての憲法9条改憲を逆手に取るのだ。 野党は国会質問を分担し、逃げ切れない形で追及し、安倍昭恵夫人の国会招致を迫るのだ。 安倍首相がそれに応じないなら国会審議をボイコットし、予算成立をストップさせるのだ。 いつまで疑惑追及をしているんだ、もっと重要な問題があるだろう。 そう批判する者は、安倍首相夫妻の身内か、政治に蒙昧で、権力の犠牲になっても気づかない、おめでたい国民だけである。 真面目に働いて正直に納税してる圧倒的多数の国民は、安倍夫妻の権力の私物化に怒っている。 野党は批判を恐れる必要はまったくない。 繰り返して言う。 明日から始まる予算委員会では、野党は森友疑惑や加計・スパコン疑惑について国会質問で野党共闘を行い、安倍首相を徹底追及するのだ。 そうすれば、やがて安倍首相は昭恵夫人の助言に従って辞めると言い出すに違いない。 日本の政治はそこから再出発すればいいのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)