□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年8月16日第653号 ■ ============================================================== 日米共同訓練で終わった豪州沖オスプレイ墜落後のドタバタ劇 ============================================================== 普天間所属のオスプレイが豪州沖で墜落事故を起こしたのは8月5日だった。 それからの日本政府の対応は、この国の主権が米軍に握られていることを示すドタバタ劇の連続だった。 まず日本政府は、たとえオスプレイ飛行停止を米軍に命じる権限はないとしても、せめて形だけでも堂々と、国民の目の前で、米国政府にオスプレイ飛行自粛を要請すべきだった。 私はそう書いた。 ところが小野寺防衛相にしても菅官房長官にしても、要請したという事実だけをまるでアリバイ作りのように記者に対し、つまり国民に対し、語るだけだった。 ところが、驚いたことに米軍は、その要請さえも一蹴した。 そして、もっと驚かされたのは、自粛要請をしたはずの日本政府が、わずか2日後に安全性が確認されたから容認すると言い出した。 これは米軍に言わされたのだ。 オスプレイ飛行の自粛を求めるなどという馬鹿な事を言うな。 そんなことを言って米軍の抑止力を弱めていいのか。 日米軍事同盟を壊してもいいのか。 そう叱られたのだ。 だから積極的に容認することになったのだ。 とんだ落ちがついて、豪州沖のオスプレイ墜落事故をめぐるドタバタ劇は終わってしまったものだ。 そう私は思った。 ところがまだ終わっていなかったのだ。 きょう8月16日の東京新聞が教えてくれた。 北海道を中心にして実施中の米海兵隊と日本の陸上自衛隊との共同訓練に普天間のオスプレイが参加するというのだ。 これが本当のオチだったのだ。 容認どころか、オスプレイは日米同盟が続く限り、必要不可欠な軍事力であるというわけだ。 これではいくら反対してもオスプレイが日本全土を飛び回るわけだ。 これが、豪州沖オスプレイ墜落から始まったドタバタ劇の本当のオチだというわけである。 まさしく日本の主権放棄である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)