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高橋清隆のニュース研究

高橋清隆のニュース研究

当メルマガでは、目下のニュースが何のために報じられているかを分析する。『ニューヨークタイムズ』紙の記者だったジョン・スウィントン氏は1880年、次のような名演説をした。

「今日のアメリカにおいて、報道の自由などというものは存在しない。わたしは正直な意見を新聞に書かないことで給料をもらっている。われわれは金持ちたちの舞台裏の道具であり、召し使いだ。われわれは知性の売春婦なのだ」 

マスメディアは情報による支配装置であり、あらゆるニュースは宣伝(プロパガンダ)にすぎない。不祥事報道でたたかれた老舗企業はどうなったか、社会保険庁はどうなったか、ノーパンしゃぶしゃぶ事件の後何が起きたか、少し振り返っていただきたい。

銀座の不二家本社の土地と建物は米シティーグループのものに、三菱ふそうはダイムラー社の完全子会社に、西武グループの筆頭株主はサーベラスになった。社会保険庁は民間組織化され、われわれの年金は国際賭場につぎ込まれている。“MOF担”接待に使われたのは総額200万円だが、金融ビッグバンによって1400兆円の国民預貯金がハゲタカにさらされたではないか。

「マスゴミ」と軽々に口にする人も、無意識にマスコミ報道の影響を受けているのが普通である。国の借金を懸念し、少子化対策として託児所増設を主張し、地球温暖化防止のためリサイクルを心掛け、道州制と市町村合併、議員定数の是正と歳費削減を訴えてはいないか。

財政破綻はうそである。働く女性を礼賛するのは、人類の残り半分に課税するためであり、大きな思惑として人口削減がある。CO2は地球温暖化の原因ではなく、議会の縮小は官僚化を強め、民衆の声をますます政治に反映させなくする。

私が筆を執るのは、マスコミ報道の影響の大きさを看過できないからである。ニュースの欺瞞(ぎまん)に気付き、現実環境の素晴らしさに目覚めれば、もはや支配権力の思惑通りにはいかない。飢餓も戦争もなくなると確信する。

人間は本来、可能性に満ちていて力強い。マスコミ宣伝から自由になれば、真のあなたの人生を歩めるはず。宣伝暴きが普通になり、平和で豊かな世界が訪れることを願う。

発行者:高橋清隆(反ジャーナリスト) 価格:540円/月(税込)

 
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                         高橋清隆のニュース研究

                          2016年10月30日配信号

                   サンプル号 JR北海道たたきの末路

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ここ数年、JR北海道を非難する報道が相次いでいる。2013年9月の保線ミスによる貨物列車の脱線事故をはじめ、レール幅の広がりなど異常7カ所の放置、車両床下からの出火や油漏れ、運転士による自動列車停止装置(ATS)の破壊、レール点検数値の改ざんなど。これら不祥事宣伝の先に、北海道の悲惨な末路を予感する。

■TPP「国有企業」の影響は

JR北は広大な面積に延びる鉄道14路線2568.7キロをわずか7000人の従業員で営業する。過疎地域が大半を占め、全道が豪雪地帯や寒冷地のため、除雪や車両・施設の維持管理、光熱費などに莫大な経費を要す。全路線のおよそ半分に当たる13の区間・1200キロ余りが「単独では維持できない」として、区間によってはバスへの転換も含め、地元と検討を始める予定にある。

JR北に対するバッシングは今も続く。「信号異常で列車9本運休」(2016.10.12産経)「車輪に傷、特急遅れる」(同10.22産経)、「『道内旅行は再検討を』 台風で路線被害 HPに一時掲載、憤る観光業界」(同10.15道新)など。異常を感知しても、保線員が駆け付けるのに1時間以上かかる地域が大半なのが実情の同社。深刻な経営状況にある中、病人にむち打つような悪宣伝をして何になるのだろうか。

私はマスメディアで一時的に盛大に行われる報道キャンペーンの意図を「ニュース研究」と題して自分のブログで時折推論してきた。10月19日、衆院第1議員会館内で開かれた「TPPを批准させない! 市民と国会議員の情報交換会」を取材していて、徳永エリ参院議員(民進)の言葉にハッとした。

「国有企業の章にJR北海道やJR貨物など11企業が挙げられていて、非常に心配です」

環太平洋連携協定(TPP)では、独立した章として「17章 国有企業」がある。国有企業も一般企業と同じ土俵で競争をしなければならないという考えが貫かれ、「非商業的援助」すなわち財政支援を禁じている。政府ホームページのQ&Aには「営利目的でない独立行政法人は対象とならず、公共的な事業に影響はない」と書いてあるが、標的になるのは独法だけと限らない。病院や鉄道、郵便など、一般企業と変わらない仕組みで事業を行い、利益を確保している事業体も狙われる可能性がある。しかも、日本は「付属書Ⅳ」で留保できる企業を1つも挙げていない。

対象となる企業は「協定発効後6カ月以内に一覧を他の締約国に提供、またはウェブサイトに公表する」とあり、国民に知らされていない。しかし、緒方林太郎衆院議員(民進)が3月に提出した質問趣意書の回答に、日本政府が「国有企業」と考える11社を挙げていたのである。この中に、日本郵便や東京地下鉄、JR九州、JR貨物などとともに、JR北海道が含まれていた。

JR北は国土交通省所管の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が株式の100%を保有する、事実上の国有企業である。2015年度、鉄道事業で447億円の赤字を出しながら55億円の純利益を上げているのは、国鉄分割民営化の際に与えられた経営安定基金6822億円を元本にした運用益349億円と、実質的な補助金である鉄道建設・運輸施設整備支援機構特別債券の受取利息55億円が底上げしているからである。

TPPテキスト分析チームの和田聖仁(わだ・きよひと)弁護士は言う。「非商業的援助をなくし、民営化していこうというのがTPP。しかし、JR東日本や東海はもうかるから民営化しているが、ほかの地方会社は採算が取れないから国有になっている。問題はそうした所がどんどん切り捨てられていくこと。天下りの温床を維持するのはけしからんという指摘はあるが、外国資本の買収の対象になれば、切り売りされ、もっとひどいことになる」。


■JR総連と葛西氏の確執

では、マスコミによるJR北たたきは、TPP後の買収をにらんだグローバル資本による圧力なのだろうか。この問いに対し、経済学者の植草一秀氏は次のように答える。

「上場したJR九州と違い、四国や北海道、貨物は行政の支援がなければ経営が成り立たず、買収してもメリットがあまりない。むしろ、JR北海道たたきはJR総連つぶしが目的ではないか。『革マルの組合だ』とか、『組合活動によって職場の荒廃や規律の乱れが生じている』などと言って。それが証拠に、JR東日本も不祥事報道がされてきた」

JR総連(全日本鉄道労働組合総連合会)は1987年の分割民営化以降、JR連合(日本鉄道労働組合連合会)とJRグループ内の労働組織勢力をほぼ二分している。JR総連は北海道と東日本、貨物で多数派を形成しているのに対し、JR東海以西の各社ではJR連合が多数派を占める。マスコミによる東海や九州へのバッシングは、不思議と聞かない。

植草氏の指摘するように、JR東日本の不祥事報道も多い。「JR常磐線が1次運転見合わせ 架線に付着物」(2015.4.15産経)、「架線支える電柱が折れる JR横浜線、1次運転見合わせ」(同12.3産経)、「山手線支柱倒壊 『傾き気付いたのに措置とらず』」(2016.7.27読売)、「JR高崎線 信号動かす聞きなど焼ける…復旧17日」(同3.15毎日)など。

実際はどうか。2013年4月以降起きた事故等で2016年10月現在までに運輸安全委員会の報告書が公表されている件数は、JR北海道・東日本・貨物の各社合計で15に対し、JR東海・西日本・九州の各社合計が12(四国なし)と、大きく違うわけではない。

宣伝における東西格差は、極めて政治的なものに見える。旧動労を母体とするJR総連は、選挙で民主党と生活の党を支援してきた。民進党や共産党とともに「安倍政治を許さない!」運動に参加していて、沖縄での活動も目立つ。TPP参加や新安保法制に反対し、脱原発を訴える活動を展開する。

一方、JR連合は旧鉄労を母体とするが、分割民営化直後はJR総連発足に参加している。総連からの脱退を促したのは、JR東海副会長で現名誉会長の葛西敬之(かさい・よしゆき)氏である。葛西氏は安倍政権最大の財界ブレーンで、第1次安倍内閣では教育再生会議委員を務めた。親米保守の論客でもあり、産経新聞の「正論」や読売新聞にコラムを連載。「TPP参加と日米同盟は表裏一体だ」などと主張し、激しい中国批判を展開してきた。

葛西氏は「NHKの会長は、JR東海人事の一環だ」と公言したと会員制雑誌で報じられている。会長就任会見で「政府が右と言うことを左と言うわけにいかない」と発言した籾井勝人会長を推したのも、小説『永遠の0』で特攻隊を美化し、自民党の若手議員の勉強会で「沖縄にある2つの新聞はつぶさないといけない」と発言した百田尚樹氏を経営委員会に送り込んだのも彼だからだ。

愛国心教育の普及と原発推進にも熱心で、徴兵制導入もあおっているとされる葛西氏が、思想的に真逆な従業員主体のJR3社を目の敵にするのは不思議ではない。面白いことに、連日のようにJR北海道の不祥事を書き立てているのは、葛西氏と同じ主張を持つ産経新聞である。TPPの審議が佳境に入る中、最後の邪魔者を追い払おうとの姿勢にも映る。


■新自由主義と公共性

もっとも私は、マルクス主義者なわけではない。科学的社会主義は、ロスチャイルド家がロシアの王家をさん奪するためにマルクスに研究させたとIM6の元諜報(ちょうほう)員、ジョン・コールマン博士は告白している。共産主義対ファシズムの争いはグローバリズム対新自由主義の形で続いており、両者を止揚した先にニュー・ワールド・オーダー(N.W.O)すなわち人類奴隷化社会があると思っている。

左翼が掲げる「反TPP」は、闘争過程で大衆先導のために掲げたお題目にすぎないと解する。世界が赤色化すれば、もはや関税もへったくれもないからである。しかし、その道のりで唱えられる公共的役割の重視や社会的利益の擁護は、文句なしに素晴らしいものである。その意味において、私はこのような組合運動に共感している。

徳永議員は、前述の集会で次のように続けた。「JR北海道は22億円の経常赤字を出しながら何とか経営を維持しているのは、国からの補助金があるから。もしこれがカットされたら、道民の足はなくなる」。

過酷な環境の中、従業員の必死の奮闘で列車運行を可能にしている同社をたたけば、一層の客離れを招き、ますます経営は厳しくなるだろう。社員の士気も低下する。そこにTPPが批准されれば、とどめを刺すようなもの。完全民営化で自立経営しろと言うなら、札幌圏以外を廃線にするしかないだろう。自滅的経済政策によって国民所得が減る中、公共交通を取り上げれば、憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を破壊しかねない。

「自由化」の名の下に、公的な機能が着実に奪われている。マスコミに乗って窮地に陥っている公企業をたたいていたら北海道はさらに悲惨な状況になるだろう。あなたの地域も対岸の火事ではない。


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著者:高橋清隆(反ジャーナリスト)
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「今日のアメリカにおいて、報道の自由などというものは存在しない。わたしは正直な意見を新聞に書かないことで給料をもらっている。われわれは金持ちたちの舞台裏の道具であり、召し使いだ。われわれは知性の売春婦なのだ」 

マスメディアは情報による支配装置であり、あらゆるニュースは宣伝(プロパガンダ)にすぎない。不祥事報道でたたかれた老舗企業はどうなったか、社会保険庁はどうなったか、ノーパンしゃぶしゃぶ事件の後何が起きたか、少し振り返っていただきたい。

銀座の不二家本社の土地と建物は米シティーグループのものに、三菱ふそうはダイムラー社の完全子会社に、西武グループの筆頭株主はサーベラスになった。社会保険庁は民間組織化され、われわれの年金は国際賭場につぎ込まれている。“MOF担”接待に使われたのは総額200万円だが、金融ビッグバンによって1400兆円の国民預貯金がハゲタカにさらされたではないか。

「マスゴミ」と軽々に口にする人も、無意識にマスコミ報道の影響を受けているのが普通である。国の借金を懸念し、少子化対策として託児所増設を主張し、地球温暖化防止のためリサイクルを心掛け、道州制と市町村合併、議員定数の是正と歳費削減を訴えてはいないか。

財政破綻はうそである。働く女性を礼賛するのは、人類の残り半分に課税するためであり、大きな思惑として人口削減がある。CO2は地球温暖化の原因ではなく、議会の縮小は官僚化を強め、民衆の声をますます政治に反映させなくする。

私が筆を執るのは、マスコミ報道の影響の大きさを看過できないからである。ニュースの欺瞞(ぎまん)に気付き、現実環境の素晴らしさに目覚めれば、もはや支配権力の思惑通りにはいかない。飢餓も戦争もなくなると確信する。

人間は本来、可能性に満ちていて力強い。マスコミ宣伝から自由になれば、真のあなたの人生を歩めるはず。宣伝暴きが普通になり、平和で豊かな世界が訪れることを願う。

発行者:高橋清隆(反ジャーナリスト) 価格:540円/月(税込)