元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚
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大国間の暗黙の了解と「トランプが通れば道理が引っ込む」

元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚

発行者:近藤駿介(元ファンドマネージャー/合同会社アナザーステージCEO) 価格:1,550円/月(税込)

 

2018/04/16 07:05 配信の記事

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               元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚

               2018/04/16号

    大国間の暗黙の了解と「トランプが通れば道理が引っ込む」

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先週の米国株式市場は米中貿易戦争やシリア情勢に一喜一憂する展開となった。週明け9日を除いてNYダウは連日で2桁以上の上昇下落を繰り返した結果、前週末比427ドル高で週内の商いを終えた。

米中貿易戦争やシリア情勢など外交的不透明感が高まる中でNYダウが底堅く推移できたのは、第2四半期入りしたことによるリスクオンの流れのなか、上昇したVlt-index(恐怖指数)が水準訂正局面にありカバーが入ったことによるものである。

金融市場の大きな懸念材料となっている米中貿易戦争は、10日に習近平国家主席がアジアフォーラムでの講演のなかで、中国で証券や保険、自動車製造を営む場合に外資の過半出資を認めることや、自動車などの関税を下げて輸入を拡大する方針を示し、米国との全面戦争を避ける姿勢を示したことで一旦はおさまる状況にある。

中国政府は「貿易戦争は望まないが怖くはない。贈り物を頂いたら返さないと失礼。最後までお付き合いします」という強硬姿勢を見せていたが、トランプ大統領が制裁規模を1600億ドルと中国の米国輸入額1300億ドルを上回る規模に設定した時点で「お付き合い」することが不可能になっていた。仮に「お付き合い」する強硬姿勢を見せても、報復規模の上限が1300億ドルではトランプ大統領が制裁規模を上げれば上げるほど中国側の報復規模が見劣りし、「弱腰な中国」という望ましくない印象を与えかねない状況にあった。

習近平主席が米国との貿易摩擦を和らげ、交渉による解決を目指すことを示唆したのは、米国との報復合戦よりも、市場開放路線を見せることで米国の保護主義的な政策を際立たせた方が賢明であるとの判断があったからだと思われる。

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プロフィール

近藤駿介

元ファンドマネージャー/合同会社アナザーステージCEO
近藤駿介

1957年東京生まれ。私立武蔵中学・高校から早稲田大学理工学部土木工学科卒業。

ゼネコンで都市トンネル技術者として5年、社長室で2年弱企画営業を経験したのち資産運用業界に転身。その後20年以上に渡り、野村アセットを始め資産運用会社、銀行で株式、債券、デリバティブ、ベンチャー投資、不動産関連投資等様々な運用を経験。

運用業務に携わる一方、野村総合研究所投資調査部への出向経験を活かし、評論家、ストラテジストとしても活動。「週刊ダイヤモンド」「東洋経済」など経済誌向け執筆活動の他、経済同友会、日本証券業協会を始め、上場会社の経営会議や社員研修等で様々な講演活動を行う。

ストラテジストとして日経金融新聞(当時)「人気エコノミスト ランキング」にランクインを果したほか、本業のファンドマネージャーとしても担当ファンドが東洋経済の年間運用成績第2位に選出される。さらに、運用責任者として日本初の上場投資信託(ETF)である「日経300上場投信」の設定・上場を成功させたほか、投資信託業界初のビジネスモデル特許出願を果たす。