元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚
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パウエル新FRB議長決定 ~ 消えた不透明感と湧き出た不透明感

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発行者:近藤駿介(元ファンドマネージャー/合同会社アナザーステージCEO) 価格:1,550円/月(税込)

 

2017/11/05 18:00 配信の記事

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               元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚

               2017/11/05号

    パウエル新FRB議長決定 ~ 消えた不透明感と湧き出た不透明感

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トランプ大統領が次期FRB議長に指名したのは、やはりジェローム・パウエルFRB理事だった。「低金利愛好者」で「株高愛好者」であるトランプ大統領にとって、金融政策の面でイエレンFRB議長の路線を引き継ぎ、トランプ大統領が推し進めようとしている金融機関の規制緩和により前向きで、税制改革を推し進めるうえで重要な議会共和党との関係も良好であるパウエル理事が最善の選択肢であることは明らかなことだった。

慎重に利上げを行っていくというイエレンFRB議長の路線を踏襲するパウエル理事が次期FRB議長に指名されたことを市場も歓迎し、週末の米国株式市場では主要3指数が揃って史上最高値を更新することになった。Vix指数が史上最低水準まで低下したことはやや気懸りだが。

次期FRB議長にパウエル理事が就任することが決まったことで、米国の利上げのペースは引き続き穏やかなものになることを市場は想定している。FRBの今後の利上げが穏やかなものになると思われているとはいえ、先週政策金利を引上げたものの次回の利上げの見通しは立たない英国、テーパリング(ダウンサウジング)の規模を拡大したものの、利上げはテーパリング終了後にすることを明言しているECB、更なる金融緩和を求める政策委員が現れるなど、「出口」論を議論する段階にも至っていない日銀、といった世界の主要中央銀行のスタンスと比較すると、「利上げするのはFRBだけ」という「米国一強」状況は強まってきていると言える。
	
こうした金融政策の方向性の違いからすると、金利面からドルが下支えされる状況はやや強まったと見ることも出来る。

さらにドルの援軍に加わりそうなのが、今週から議会で審議入りする税制改革。なかでも米企業の海外子会社が海外に貯めこんだ利益を国内還流する際の税率を、これまでの35%から5~12%に引き下げることで海外資金の還流を促すレパトリ減税はドル高を支援する政策だといえる。かつてブッシュ大統領時代の2005年に時限立法としてレパトリ減税が行われた際には、海外利益が米国内に還流し、それが自社株買いと増配の原資として使われ、株高を招いたことがある。

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プロフィール

近藤駿介

元ファンドマネージャー/合同会社アナザーステージCEO
近藤駿介

1957年東京生まれ。私立武蔵中学・高校から早稲田大学理工学部土木工学科卒業。

ゼネコンで都市トンネル技術者として5年、社長室で2年弱企画営業を経験したのち資産運用業界に転身。その後20年以上に渡り、野村アセットを始め資産運用会社、銀行で株式、債券、デリバティブ、ベンチャー投資、不動産関連投資等様々な運用を経験。

運用業務に携わる一方、野村総合研究所投資調査部への出向経験を活かし、評論家、ストラテジストとしても活動。「週刊ダイヤモンド」「東洋経済」など経済誌向け執筆活動の他、経済同友会、日本証券業協会を始め、上場会社の経営会議や社員研修等で様々な講演活動を行う。

ストラテジストとして日経金融新聞(当時)「人気エコノミスト ランキング」にランクインを果したほか、本業のファンドマネージャーとしても担当ファンドが東洋経済の年間運用成績第2位に選出される。さらに、運用責任者として日本初の上場投資信託(ETF)である「日経300上場投信」の設定・上場を成功させたほか、投資信託業界初のビジネスモデル特許出願を果たす。