━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/08/25 「しつこすぎる」執念を持たねば事は成就しない 第327号 ──────────────────────────────────── 「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が不当に強制起訴された陸山会事件で虚 偽のねつ造した捜査報告書を検察審査会に提出したことなどで、虚偽有印公文 書作成容疑などで刑事告発された元東京地検特捜部の田代政弘元検事に対する 最高検の不起訴処分(容疑不十分)に不服があるとして、市民団体が8月23 日、東京第1検察審査会に審査を申し立てた。 最高検が田代政弘元検事などに対する不起訴処分を決定したのは6月27日の ことだ。それから2ヵ月の時間が経過した。日本の警察・検察・裁判所制度の 前近代性を示す、重大事案であるにもかかわらず、2ヵ月の時間が経過するな かで、ことの重大性は忘れ去られ、世の中はなにごともなかったかのような空 気に包まれるようになる。 消費増税問題、原発再稼働、TPPなどの重要問題も同様である。 国民的な大論議になりながら、時間の経過とともに問題が風化され、人々が問 題の重要性を忘却し始める。 国民の意向を無視してものごとを強引に推し進める権力者にとっては、この時 間の経過による風化こそ、何者にも代えがたい貴重な天の恵みということにな るのだろう。 逆に言うと、ものごとが不正に決められてしまうことに対して市民が、粘着力 を持って、最後の最後まで食い下がる執拗さが大切なのだと思う。 このたび、田代元検事、佐久間検事、木村検事に対する最高検の不起訴処分を 不服とする検察審査会への申し立てが行われたが、このような市民の行動が現 状を変える原動力のひとつになる。 八木啓代氏が代表を務める「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」が この行動を実行された。 八木啓代さんのブログにこのことについて次のような書き出しで報告を示され た。 http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-658.html 「お待たせいたしました。 すでに各種報道でご存じでしょうが、昨日、午後4時、田代政弘元検事を虚偽 有印公文書作成及び行使と偽証、さらに、佐久間元特捜部長と木村検事を虚偽 有印公文書作成及び行使の共犯容疑で、検察審査会に申立を行いました。… … …(記事全文7,110文字)
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植草一秀(政治経済学者)