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メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」

植草一秀(政治経済学者)

植草一秀

第76号 日本政治はなぜここまで劣化してしまったのか

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/12/15   日本政治はなぜここまで劣化してしまったのか                第76号 ────────────────────────────────────  経産相を務める枝野幸男氏の暴論を国会は責任を持って糺(ただ)すべきだ。  12月6日の衆議院震災復興特別委員会での暴論である。    枝野氏は「福島のような事故が再び起こる可能性はあるとの前提の下に再稼 働を許可する」方針を明言したのだ。        しかし、国民の多くは福島のような核暴走事故を二度と起こしてはならない と考えているのではないか。    枝野氏は二度と起こしてはならないと希望はするが、現に福島で事故が起き てしまった以上、今後も起こらないとは言い切れない。したがって、福島のよ うな事故は発生し得るとの前提で原発再稼働を進めていくとの考えを述べた。        選択肢はふたつにひとつだ。    福島で起こしてはならない事故が起きてしまった以上、絶対安全が確立でき ない限り、原発を利用できないと考えること。    事故を起こさないように努めるが、福島で事故が起きてしまった以上、絶対 に事故は起こらないとの前提は撤回せざるを得ない。そのうえで、事故は起こ るかも知れないとの前提を置いて原発利用を推進する。    国民の生命と健康、日本の運命と直結することがらであるから、国会が基本 方針を定める必要がある。    国民的論議なく、事故が起こり得ることを前提に原発再稼働を進められては かなわない。        事故を起こした東電であるが、事故を引き起こした以上、適正な責任処理が 不可欠である。適正に責任を問うことが、事故を繰り返さないための基本にな る。    人類史上最悪レベルの放射能事故を引き起こした。取り返しのつかないこと を起こしてしまったと言える。かけがえのない大地と水脈、そして海洋が汚さ れた。この大地と水脈と海洋が原状を回復するには気の遠くなるような時間が
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