━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/10/24 フジ「新・報道2001」がTPP論争リベンジでまた憤死 ──────────────────────────────────── 一週間前、3Kグループのフジテレビは、亀井静香国民新党代表をスタジオ に招き、TPP交渉への参加問題について、賛成論を勢いづけようとして憤死 した。 亀井氏に対して1対5で集中砲火を浴びせて、ノックアウトすることを目論 んだにもかかわらず、亀井氏に5人の素人腕自慢がめった斬りにされてしまう との大誤算を演じたのだ。 そのリベンジなのだろう。10月23日放送の「新・報道2001」では、 メンバー構成を変えて、再チャレンジが行われた。 TPP交渉参加賛成派として招かれたのは、民主党近藤洋介議員、みんなの 党江田憲司議員、とコメンテーター高橋進氏だ。 TPP交渉参加慎重派としては、山田正彦元農水相と元財務官僚の榊原英資 氏が招かれた。条件付き賛成派として櫻井充参院議員が出席した。 フジテレビの平井文夫氏、須田哲夫氏は、むろん賛成派である。 先週よりも改善はされたが、2対5の討論だ。 しかし、結果は変わらなかった。 肝心なポイントで、積極派の主張にはまったく説得力がなかった。 11月初旬までに結論を示す環境は整っていない。 民主主義の基本は、国民の意思の尊重である。野田佳彦氏は首相に就任する ことについてさえ、主権者国民の同意を得ていない。政策方針については、2 009年8月総選挙、2010年7月参院選での主権者国民の意思が何よりも 重要だが、この国政選挙の際に交わされた主権者国民と民主党との契約内容と、 現在の野田政権の基本方針とは完全にかい離している。 首相に就任したからと言って、勝手が許されているわけではない。「代議制 民主主義は期限付きの独裁制だ」などという暴言を吐いた人物が、野田氏の前 任首相だったから、悪影響を受けているのかも知れぬ。 野田氏が、自分は首相だから、結論を示す権限があるなどと考えているとす れば、大間違いだ。民意がベースにあっての首相なのだ。民意を踏まえない首 相なら、首相であること自体が間違いということになる。… … …(記事全文4,053文字)
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植草一秀(政治経済学者)