━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/10/14 経済成長と財政再建を両立させる正しい政策運営 第14号 ──────────────────────────────────── 野田佳彦政権の傍若無人の振る舞いに歯止めがかからない。 野田政権の最大の問題は、主権者国民の信託を受けていないことにある。現 在の政権の枠組みは、2009年8月総選挙を受けて作られたものである。政 権の正統性を支えるのは、2009年8月総選挙の際に、政党が主権者国民と 交わした政権公約=マニフェストである。 メディアもこの選挙の際に「マニフェスト選挙」と連呼していたではないか。 総選挙に際して政党が、責任ある政権公約を主権者の前に提示する。主権者 である国民は、政党が提示する政権公約のパッケージであるマニフェストを吟 味して投票行動を決める。 主権者国民に政権を委ねられた政党は、主権者国民と交わした契約=マニフ ェストを忠実に実行する責務を負う。 このような「マニフェスト選挙」、政権選択選挙が実行され、政権政党が責 任ある行動を貫くことによって、日本政治は新たな次元を切り開く。 マスメディアも、このような解説を繰り返していたのではないのか。 この意味で、現在の野田政権には正統性がない。 なぜなら、野田佳彦氏は2009年8月総選挙のマニフェストを尊重してい ないからである。具体的にどこに問題があるか。まずは、2009年8月総選 挙公約の中身を再確認する。 ①普天間基地問題で民主党は県外・国外移設を公約に掲げた。 ②消費税増税については、2013年の衆議院任期満了までは、これを封印す る。 ③増税論議の前に、官僚利権の根絶、天下りの根絶など、予算の無駄排除に全 力をあげる。これを2013年の衆議院任期満了までの最大の任務とする。 ④「政治とカネ」の問題を解決するために、企業団体献金の全面禁止を実現す る。 ⑤官僚主導を政治主導に転換する。事務次官会議は廃止する。… … …(記事全文5,398文字)
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植草一秀(政治経済学者)