━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/10/05 愛国者と売国者を簡単に見分ける法 第5号 ──────────────────────────────────── 日米関係をめぐって二つの重要事項が光と影の役割を果たすことに注意が必 要である。 普天間基地移設問題とTPPの二つの問題だ。 9月21日、野田佳彦氏とオバマ大統領の初めての首脳会談がニューヨーク で行われた。わずか35分の儀礼的な会談だった。 この首脳会談でオバマ大統領が、 「結論を求める時期が近づいている。」 と述べたことが大きく報じられた。日米合意では普天間基地の代替施設を辺野 古海岸に建設することが盛り込まれたが、その後、大きな進展がない。 米国がいらだちを示していると伝えられたわけだ。 私は、メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」創刊準備第一号に、次 のように書いた。 「オバマ大統領がここまで強い発言を示したのは、来年の再選に向けて、国内 世論が厳しくなっていることへの配慮がひとつの要因だろう。 しかし、単純にそう読むのではない、別の見方が浮上するのだ。 オバマ大統領の本当の狙いは、TPPにある。アジア諸国と米国にとってだ け、大きなうま味のある日本のTPP参加を何としても獲得したいのではない か。普天間問題よりもTPPにこそ、直接的には米国の強い関心があるのでは ないか。これを直接求めると、かえって反発を招きかねないから、逆に普天間 にウェイトを掛ける姿勢を示したのだ。 普天間問題でプレッシャーをかけて、これを「てこ」として、「てこ」の作 用で、日本のTPP参加検討の回答を得ようとしているのではないかと私は思 う。 今年のAPEC総会は11月11-12日に、ハワイのホノルルで開催され る。ハワイと言えば、オバマ大統領の故郷である。この故郷でのAPEC総会 開催で、日本のTPP参加表明を勝ち取る。これが、オバマ大統領の最大の再 選戦略になるのだ。」… … …(記事全文4,824文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)