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渡邉哲也の今世界で何が起きているのか

渡邉哲也(作家・経済評論家)

渡邉哲也

第1380回 変化

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     渡邉哲也の今世界で何が起きているのか     2017/04/06            第1380回 変化 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ブログ時代を含めると10年近く経済ニュースを定点観測していますが、ここ数年、大 きな変化が出ているように思います。特に英国のブレグジット移行、その傾向が顕著に なり、トランプ政権確定でよりその傾向が強くなっているように思います。 ニュース はその時旬の話題を多く取り上げます。そのため、バブルがはじけたり、金融危機が起 きそうな国や事案がトップニュースになり、多数報じられることになります。  そして、この一年の傾向といえば、政治ニュースばかりになった事なのです。政治と 経済は表裏一体ではありますが、数字よりも思惑の方が大きな経済要素になってしまっ ているのです。これは経済のグローバル化と民間がすべて行うのが良いとされた新自由 主義的傾向が薄れ、政治の経済への関与が大きくなったことに起因するのだと思います。 ★明日、米中首脳会談 北朝鮮は米中首脳会談前にミサイルを発射、中国のメンツはま た潰されました。同時にこれは米国単独での北朝鮮への対処を正当化するものでもある わけです。また、米国下院は北朝鮮のテロ国家指定を承認、上院で承認され大統領が署 名すれば、北朝鮮への圧力がさらに高まることになります。そして、最大の焦点になる のは軍事オプションという事になります。  その意味でも、米中首脳会談の行方が注目されているわけです。まず、会談前に共同 記者会見が開かれるか、そして、その内容に北朝鮮制裁が含まれるかが大きな焦点にな るわけです。そして、これが決裂したとみなされれば、北への軍事オプションリスクが 高まったと市場は評価するでしょう。  また、今、一番の世界の話題は、シリア政府のサリン使用問題です。ロシアはISへの 対処としてシリア政府を支援してきました。米国はアサド政権に冷たい対応をしてきた わけです。しかし、トランプ政権に代わり、ロシアとの調和によるアサド政権への融和 の声が強まっており、アサド政権に融和的政策を採ろうとした矢先に、化学兵器による 自国民への攻撃をしたという事になります。米国としては、アサド政権を支援への政策 転換が難しくなったわけです。  本質的に米国は中東問題から距離を置き、イスラエルなど同盟国防衛と国家間紛争で はなく、テロリストであるIS対応に限定したいという思惑があります。自国でシェール などが産出するようになり、エネルギー供給国としても中東の価値が低下しているわけ です。そして、自国民の犠牲をこれ以上増やしたくないと思われます。中東はロシアに 任せ、NATOなどの枠組み防衛に限定したいといわれています。そのためには、国家間の 枠組みの再構築が必要であり、国という構図を確定させたいわけです。 そして、現在 の問題の中心がシリアであり、アサド政権を認めることでこれが達成できるという構図 にあったのです。  また、中東から兵力を徐々に撤退すれば、南シナ海など中国の脅威に対する布陣が強 化できるという構図でした。また、米国が空母など海軍力を強化するとしている理由も そこにあり、圧倒的な海軍で中国の海洋への進出を抑制し、後方からの遠距離攻撃に切 り替えたかったわけです。陸上戦は、兵士の犠牲が大きく費用対効果が悪いわけです。 ですから、地上戦は地元の軍隊に任せ、空と海から攻撃するという絵を描いているわけ です。 ■北朝鮮発射のミサイルは「スカッド」=米当局者 http://jp.reuters.com/article/north-korea-missile-idJPKBN1772GO?il=0 ■北朝鮮新型ミサイルに圧力 http://jp.reuters.com/article/idJP2017040501002000?il=0 ■サリン使用疑惑で安保理緊急会合 http://jp.reuters.com/article/idJP2017040501001999?il=0 ■トランプ米大統領、側近バノン氏をNCSメンバーから外す http://jp.reuters.com/article/usa-trump-security-idJPKBN1772JM?il=0 ■トランプ氏、前政権導入の規制緩和へ月内に数件署名=米ホワイトハウス http://jp.reuters.com/article/idJPL3N1HD3VJ?il=0 ■アングル:米企業にくすぶる貿易戦争の懸念、米中首脳会談控え http://jp.reuters.com/article/usa-china-business-idJPKBN1770BO?il=0 ■バランスシート縮小、年内着手を=米FOMC議事要旨 http://jp.reuters.com/article/fomc-minutes-idJPKBN1772JY ■「EPA早期締結を」、来日中の独首相側近が日本側に申し入れ http://jp.reuters.com/article/germany-japan-protectionism-idJPKBN1771D1 ■ECB、金融緩和からの出口検討は早計─リトアニア中銀総裁=米紙 http://jp.reuters.com/article/ecb-policy-lithuania-idJPKBN1771ZY?il=0 ■EUとの自由移動、離脱移行期間も継続の可能性─英首相=BBC http://jp.reuters.com/article/eu-bbc-idJPKBN1770OZ 過去記事ですが、面白いです。 ■コラム:ロイズ子会社設立で見えた「英国大脱出」の杞憂 http://jp.reuters.com/article/column-lloyds-brexodus-idJPKBN172098 ■英消費減速、ポンド安の恩恵で完全に相殺されず=ブリハ中銀金融政策委員 http://jp.reuters.com/article/boe-idJPKBN177233?il=0 ─────────────────昨日の市況──────────────── ■東京マーケット・サマリー(5日) http://jp.reuters.com/article/tokyomarketsummary5apr-idJPKBN17710B?il=0 ■UPDATE 2-アジア株式市場サマリー(5日) http://jp.reuters.com/article/idJPL3N1HD1OV?il=0 ■欧州市場サマリー(5日) http://jp.reuters.com/article/europ-mart-summary-idJPKBN1772LW?il=0 ■米国株式市場は下落、FOMC議事要旨受け http://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKBN1772VB 『出典 記載なきものロイター』 ──────────────────────────────────────            著者:渡邉哲也(作家・経済評論家)         ホームページ:http://www.watanabetetsuya.info/          Twitter:http://twitter.com/daitojimari    メールアドレス:info@watanabetetsuya.info ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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