━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2015/10/16 第1028回 中国のジレンマ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★恒例の米国債務上限問題 特段の混乱はないと思いますが、、、日本の予算と同じで政党間の駆け引きの道具なのですね。 ★中国当局 連日中国経済の健全性をアナウンスしていますね。逆に見ればかなり厳しいということなのだと思います。中国の場合、数字が信じられませんから当局としても実体を把握するのが困難であり、打った手が適切であったか判断も難しい。そして、対応が危機が起きてからの場当たり的なものになるのですね。 そして、金融政策的にも大きな矛盾を抱えてしまっている。大規模な利下げや量的緩和は通貨安を導きます。キャピタルフライトが続き、人民元売りを介入で支えている状況でさらなる通貨安とキャピタルフライトの要因になる。特に外貨準備への不安が出ており、介入を何処までできるかもわからないのですね。当然、ヘッジファンドなどの美味しいカモでもあるわけです。米国などは自由化改革を進めろといっているわけですが、自由化を進めればすすめるほど追い込まれるのだと思います。今の計画経済的要素が強い政策ならば、銀行や金融機関などへの不透明な資金供給や特別融資が可能ですが、自由化と民営化が進めばそうは行かない。また、外貨準備の国有銀行保有分を外貨準備から切り離す必要も出てくる可能性がある。この場合、人民元の信用は一気に低下すると思われるわけです。… … …(記事全文1,823文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)