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渡邉哲也の今世界で何が起きているのか

渡邉哲也(作家・経済評論家)

渡邉哲也

第997回 慢性期

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     渡邉哲也の今世界で何が起きているのか     2015/08/28            第997回 慢性期 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★世界の株価 一時的なパニック状態からは一段落 日経も大きく戻し始めた。問題はこれはパニックが終わっただけであり、本質的な問題解決が図られたわけではないことにある。バブル崩壊は急性期と慢性期を繰り返しながら、徐々にその影響が顕著化する。今回の中国発の第三波は世界の市場に大きな影響を与えたが、次の波は第三波とは違い、国による差が大きい影響になるように思われる。中国が経済原則しても当然その影響は国により違う。今回連動性が高かったのはグローバル金融資本のデレバレッジとリスク回避が要因であり、国際的な資金移動と連動した動きになったからだと思われる。そして、今回の大規模な資金移動とデレバレッジで調整が進んだと思われるからである。  また、中国の経済減速による次の動きも考え無くてはならない。中国の経済減速で影響をうけるのは『特に中国と関係の深い資源国』ということになるだろう。資源価格の長期的低迷は経済成長を鈍化させ、資金計画にも大きな影響をあたえるのである。逆に言えば影響が少ないのは『中国からの輸入国』と『中国を生産拠点として輸出している企業』ということになるのだろう。中国国内の消費が落ち込んでも海外向けに生産しているだけなら影響は軽微であり、逆に人民元切り下げによる利益すら期待できるからである。  そして、今回の中国バブル崩壊は企業の中国戦略を変更する良いきっかけになると思われる。賃金上昇により採算性が低下しており、天津爆発の影響と環境基準などの厳格化で運営コスト自体も上がることが予想できる。当然の話であるが、中国が世界のサプライチェーンの一部でしかなく、
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