━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2015/06/18 第948回 FOMC ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★注目されていたFOMC当初予測での最短は6月の利上げでしたが、ハト派が優勢であり、年内の利上げをうかがうもののどちらとも取れる声明になりました。ギリシャ問題やチャイナバブル問題などを抱え、国際的な環境は悪化しており、ドル高による影響、原油安による物価上昇の押し下げ効果なども考慮した結果なのでしょう。 ★ギリシャ問題 ギリシャのデフォルトを織り込んだ発言が増加し始めました。英国などはギリシャのユーロ圏離脱に対する準備を進めると政府が広報、他国でもその影響に関する言及が始まりました。問題はIMFへの支払いができない場合、どうなるかということだと思います。格付機関などはIMFへの支払いはデフォルトとしないとしていますので、『クロスデフォルトとクロスアクセラレーション』は発生しないと思われます。クロスデフォルトとは同一債務者の一部の債務がデフォルトした場合、他の債務もデフォルト扱いできるというものであり、クロスアクセラレーションとはクロスデフォルトが発生した場合、債務者が期限の利益を失うというものです。これをギリシャに当てはめ簡単に説明すると、ギリシャのIMFへの支払いができない。→デフォルト認定→ギリシャ発行のすべての債務をデフォルト扱いできる→ローンの即時全額返済を求めることができる ということになりますが、ポイントは債権者(貸し手)が『することができる』であり、『しなくてはいけない』ではないことです。また、格付機関が柔軟な対応を見せているため、これが起きる可能性は低いといえるでしょう。しかし、支援を受けなければ他への支払いもできないため、合意がなければどこかでこれが発生することになります。当局の対応次第の部分がありますが、それまでに影響緩和のためのセーフティ・ネットを用意するのではないでしょうか ■UPDATE 1-米FOMC声明全文 http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0Z34Y320150617… … …(記事全文2,687文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)