━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2013/02/25 第368回 英国債格下げ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ムーディーズが、英国の格付をAAAから引き下げた。以前から英国の格付けが高すぎるという指摘がなされていたが、やっと対応したことになる。しかし、自国通貨を発行できる英国 本質的なデフォルトリスクがあるのだろうか?これは米国も同様となる。そもそも通貨危機の起きるリスクとデフォルトリスクは別物である。 格付け会社と銀行の潰し合い 格付けに不備があれば、銀行などにより格付け会社は訴えられる。格付けを引き下げれば、銀行は大きな損失を受ける。銀行は債券発行などの際に格付け会社を利用し、高い格付けを出すためのコンサルティングを受けてきた。銀行と格付け会社は「共依存の関係」であり、銀行も格付け会社も共に利用しあってきたわけである。 しかし、この構造は大きく壊れつつある。そして、共食いが始まった状況であるといえよう。先日、ムーディーズがライバルのS&Pの親会社の格付けを引き下げた。それは多大な賠償責任が生じる可能性が高いという理由であった。これは格付けというビジネスモデルの崩壊であり、S&Pの格下げはムーディーズにも及ぶものといえる。殺し合いが始まったといえるのかもしれない。… … …(記事全文5,577文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)