━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2012/01/05 第81回 欧州銀行の増資問題 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今年、欧州は、巨額な国債の借り換え、銀行の増資(今年6月まで)銀行債の借り換えと いう巨額な資金を必要とする状況になっている。しかし、貸し手である信用市場は縮小 再生産に入っており、さらに域外投資家の逃避が継続している。 問題となるのは、この資金を何処が出すのかという問題であり、この部分を解決しない限 り、問題は悪化し継続することになる。現在、ECBがこの一部を補っているが、いつまで もECBだけでまかないきれるものとも思えず、欧州連合によるより機動的な対応を必要と する。 国債の最大の買い手は、それぞれの国の銀行である。銀行が弱体化すると、国債の買い手 がいなくなる。そして、銀行の信用不安は、その国の調達金利全体を引き上げることにな り、債務の返済を更に難しくする。… … …(記事全文5,249文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)