━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2011/12/30 第79回 イタリア国債入札上限未達 7%水準まであとわずか ユーロ暴落 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今年も大変お世話になりました。本日が今年の最終更新となります。来年も変わらぬご愛 顧のほどよろしくお願い申し上げます。 動画解説 約30分の動画です。ぜひご覧ください。 【渡邉哲也】あなたも騙されている格付の嘘[桜H23/12/27] http://www.nicovideo.jp/watch/1324978928 (ニコニコ) http://www.youtube.com/watch?v=xMeqfgcwfUM(YouTube) ◆ユーロ崩壊が始まった!?世界経済と円高の行方 http://www.nicovideo.jp/watch/1320047927 http://www.youtube.com/user/SakuraSoTV?gl=JP&hl=ja#p/u/2/F42dGDytZpY ユーロ暴落、イタリア国債入札上限未達でユーロの暴落が発生しました。クリスマス休暇 が終わり、市場参加者が市場の戻り、債券取引も正常化する中で、欧州金融危機に対する 厳しい市場評価が始まったと言えます。欧米はクリスマス休暇が終わると事実上の新年で す。すでに株式や債券の世界では来年の市場が始まっているといってもよいでしょう。 また、欧州金融危機の悪化による実体経済への影響が報告され始めました。銀行による貸 し渋り貸し剥がしにより、フランスの自動車業界の不調が見えてきました。自動車は製造 業の中でも裾野の広い産業であり、日本においても間接的な関与を含めると全労働者の約 9%が関わる産業です。自動車の不調はその国の実体経済と産業に大きな影響を与えるま す。 さて、動画でお話ししている格付け機関問題も格付け機関内部の粛清が始まりました。欧 州連合は来年4月までに格付け機関の調査を進め、厳しい処分を含めた対応をするといっ ておりますので、今後格付けが原因となる大型の信用不安が発生する可能性もあります。 最後に、欧州金融危機で新興国バブル、アートバブルも変調の兆しが強まっています。こ の2つのバブルを支えたのは中国などの新興国ですが、その元になる原資の多くを欧州銀 行が出していたのですね。 日本においても、震災復旧や税と社会保障問題、政治無策の問題など様々な大きな問題を 抱える中で、今年も終わりを迎えようとしています。カオスは新しい価値観や新しい支配 体制を生み出します。そして、次なる支配者は、今努力しそれに備えて準備を進めている ものなのです。微力ながら私はその価値判断の一つとなる情報を来年も提供し続けたいと 思っております。 来年はみなさまにとって良い年になりますようお祈り申し上げます。 平成23年12月吉日 渡邉哲也… … …(記事全文6,219文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)