━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2011/12/15 第68回 ドイツのエゴイズム 仏銀の苦悩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 前日の米国FOMCで期待されていた追加の緩和策が採られなかったことで、世界的に市況は 下落した。欧州危機が深まる中、世界的に実体経済の悪化懸念が強まっている。世界経済 の消費の一翼を担ってきた欧州の諸費の減退懸念は強い。 今回のFOMCにおいては、米国の都市部を中心に消費の著しい減退は見られないことから、 金融政策は据え置かれ、さらなる緩和の可能性が低くなった。米国が米国の金融政策を米 国の景気動向で決定することは正しい。 しかし、これによりドル調達が困難となっている欧州銀行に回る資金量は増えないことを 意味する。何度も述べるが、世界の債券の約6割はドル建てであり、欧州銀行もドル建て の債務を抱えている。償還にはドルが必要となり、ドル調達の不調は欧州銀行を苦しめる。… … …(記事全文6,729文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)