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小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~

小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~

21世紀初頭から、原油、穀物、金属などのコモディティ(商品)相場が軒並み高騰しています。世界人口の増加や新興国の経済成長に伴い、コモディティの需要と供給とのバランスに大きな歪みが生じています。先進国の金融緩和政策や機関投資家のコモディティ投資に対する認知度の高まりを受け、株式・債券・為替などの伝統的な市場から、コモディティ市場に投機資金が流入している影響もあるでしょう。

こうしたコモディティの価格を決定するのが商品先物市場ですが、必ずしも一般の認知度は高くありません。金融市場とは違う「特殊な市場」というイメージに加え、コモディティの特性や需給環境に対する情報が決定的に不足していることに原因があるのではないでしょうか。

このメルマガでは、こうしたコモディティ市場(原油、貴金属、穀物など)の値動きを分析し、必要に応じて他マーケットやマクロ経済の動向にも言及します。

商品デリバティブや商品ETF、貴金属、資源株などの投資家はもちろん、株式、債券、為替市場の一般投資家、経済に関心のある全ての方に役立つ情報を提供していく方針です。

発行者:小菅努(商品アナリスト) 価格:1,890円/月(税込)

 
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           小菅努のコモディティ分析
       ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~

  2010年11月17日(水)発行 Vol.000(サンプル)
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☆☆☆サンプル版をご覧の皆様へ☆☆☆
このメルマガは、毎週2回以上、コモディティ市場の分析レポートを発行します。

詳細な分析レポートの他、コモディティ市場のニュースやデータなどの解説を
通じて、コモディティ市場に何が起きているのかを分かり易く解説します。一
般のメディアには殆ど出てこない情報なども、積極的に提供していきたいと思
います。また、毎週「レビュー&アウトルック」も発行し、前週の主要コモディ
ティの値動きやその背景知識、今後のポイント、展望なども解説します。継続
的に購読して頂くことで、経済やマーケットの違った顔が見えてくるはずです。


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 「中国の利上げは金相場にネガティブ」論を検証する 
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【1】中国ショックが再来した

11月12日のグローバルマーケットは、中国市場発で急落する展開になった。前
日に発表された同国の10月消費者物価指数(CPI)が約2年ぶりの高い伸び率(
前年同月比4.4%上昇)を示したことを受け、中国人民銀行(中央銀行)が早期
利上げに踏み切るとの見方が広がった結果である。

中国のCPIが上昇傾向を強めたのは最近のことではなく、5月時点で既に前年同
月比3.1%上昇と高い伸び率を示していた。ただ、その後の上昇率も、6月2.9%、
7月3.3%、8月3.5%、9月3.6%と上昇カーブを加速しており、10月はついに4.4%に
達したことが、マーケットの危機感を煽った模様だ。

特に注目すべきは、市民生活に直結する食品物価の上昇率である。10月の食品
物価は前年同月比10.1%上昇に達しており(前月は8.0%上昇)、当局がインフレ
抑制に動くのは確実とのムードが広がった。

中国当局は10月19日に3年ぶりの利上げ(25ベーシスポイント)に踏み切ったば
かりであるが、これはその直後に予定されていた20カ国・地域(G20)財務相・
中央銀行総裁会議を控えて、人民元相場に対する上昇圧力をかわす意味合いが
強く、多分に政治的文脈を意識した動きであった。しかし、11月10日には預金
準備率の引き上げでインフレ阻止の姿勢を鮮明にしていたこともあり、今回の
CPI急伸が本格的な金融引き締め局面への移行を促すとの見方が市場コンセンサ
スになっている。

マーケットがこうした「中国の利上げ懸念」をテーマ化したのは、CPIが発表さ
れた11日(木)ではなく12日(金)であったことからは、商品需給に対する直
接的なインパクトが懸念されたというよりも、投資家マインドへのインパクト
が大きかったとみるべきだろう。

理論的には、中国の金融政策が緩和的でなくなった(=出口戦略の導入)こと
に伴い、商品需給の下振れリスクが高まったことが、短期投機筋の買い玉整理
を促したとの解釈が可能である。実際、10月の利上げ発表直後のCOMEX金先物相
場も、前日比36.10ドル(2.6%)の急落になっており、「利上げリスク=商品売
り」の関係式は必ずしも否定されるべきものではない。

ただ、今回の急落相場に関しては、今秋に工業品から穀物、更には綿花や砂糖、
ゴムといった幅広い銘柄が軒並み歴史的な高騰相場を形成していた影響が大き
いと考えている。急ピッチな上昇相場が続く中、利益確定の機会を先送りして
いた向きが、中国のCPIを手掛かりに一斉に利食い売りに動いた可能性が高いと
考えている。


【2】利上げリスク浮上の根本原因を考えれば

商品市場は、中国市場のパニック的な投げ売り地合を引き継ぐ形で、欧米タイ
ムも急落地合になった。12日の主要マーケットの下落幅(率)をレビューする
と、金37.80ドル(2.7%)、白金61.20セント(3.5%)、原油2.93ドル(3.3%)、
トウモロコシ30.00セント(5.3%)、大豆70.00セント(5.2%)、小麦34.75セン
ト(4.9%)、砂糖3.45セント(11.6%)、コーヒー6.15セント(2.9%)などとな
っている。トウモロコシと大豆はともにストップ安である。

上述のように、金融引き締めからの景気減速リスクを考慮すれば、特段に不自
然な動きではないだろう。しかし、金相場に関しては違った解釈が可能である。
「中国の利上げ懸念」は、必ずしも金相場に対してネガティブ要因とは考えて
いない。

他マーケットが全面安の展開になれば、当然にマージンコール(追証拠金請求)
への対応や損失補填目的で、金市場における益出しが進む可能性も十分にある。
実際、2008年のリーマン・ショック直後の金相場は、信用不安という本来であ
れば上昇環境にあるにもかかわらず、他マーケットの損失補填目的の手仕舞い
売りで急落している。

しかし、利上げ懸念が浮上するきっかけとなった中国のインフレ環境に目を向
ければ、違った構図も見えてくるだろう。即ち、中国で利上げ懸念が浮上して
いるということは、同国のインフレ環境がもはや静観できないレベルまで展開
していることを意味するのだ。こうしたインフレ環境は、まさにここ数ヶ月の
金相場を過去最高値まで押し上げてきた原動力の一つであり、逆に金相場に対
しては強気の相場環境が実現していると考えることも可能である。


【3】中国のインフレ環境には何が起きているのか

ここでそもそも、なぜ中国でインフレ圧力が強くなっているのかを考えてみた
い。国際通貨基金(IMF)によると、同国の経済成長率は2009年9.1%、2010年1
0.5%、2011年9.6%と高い伸び率が予測されるなど、インフレ圧力そのものはマ
クロ経済環境から十分に説明することが可能である。しかし、四半期ベースで
みれば経済成長率は第1四半期をピークに減速しているのが現実であり、違った
要因が影響した可能性を想定すべきだろう。

ここで注目したいのが、先進国と新興国のインバランス(不均衡)である。既
にリーマン・ショックから2年以上が経過しているが、先進国の景気回復は遅れ
ており、米国や日本ではデフレ(ないしはディスインフレ)のリスクが警戒さ
れる状況に陥っている。

例えば米国の場合、こうした厳しい経済環境に対して実質ゼロ金利政策と量的
(信用)緩和による対決姿勢を鮮明にしている。政策金利であるフェデラル・
ファンド(FF)金利の誘導目標は2008年12月に0.00~0.25%まで引き下げられた
が、足元では量的緩和が既に第二弾(QE2)を迎えており、6,000億ドル規模の
国債購入が決定されている。

こうした大規模な金融緩和はマネーの流動性を増大させており、投機マネーは
新興国や資産市場などのリスクマーケットに対する流入傾向を強めている。こ
れは原油相場が過去最高値まで高騰した2008年の過剰流動性相場を回顧させる
動きとも言える。しかし、その当時と大きく異なるのは、新興国はリーマン・
ショックからいち早く立ち直っており、既にインフレリスクが警戒される状況
に至っていることだ。

これは、新興国が金融引き締めでインフレ抑制の動きを強める一方、先進国が
低金利と量的緩和で大規模な金融緩和を展開させていることを意味し、金融政
策の効果を限定させることになる。いわば、先進国がアクセルを全力で踏み込
む一方、新興国がブレーキを一生懸命に踏む状況になっているのだ。

中国の10月CPIが大きく上振れしたことは、こうした先進国と新興国のインバラ
ンスが、新興国発でインフレ環境を展開させていることを示すシンボリックな
動きと言えるだろう。これは、従来からマーケットが強く警戒していたインフ
レリスクそのものである。


【4】米長期金利の上昇が意味すること

もちろん、こうした金融緩和の副作用については周知されている。米連邦公開
市場委員会(FOMC)でも、カンザスシティ連銀のホーニング総裁は、決定に反
対票を投じ続けている。声明文の「would cause an increase in long-term i
nflation expectations that could destabilize the economy(長期的なイン
フレ期待を増し、経済環境の不安定化を招く可能性がある)」という記載を確
認しておきたい。

ただ、現実問題としては金融緩和以外に景気減速やディスインフレリスクに対
する有効な対策は見出せておらず、今後も量的緩和第3弾(QE3)、QE4などへの
展開をメインシナリオとして設定せざるを得ないだろう。世界経済の不均衡状
態は維持される可能性が高い。

こうした中、11月の米市場では国債相場の利回りが上昇傾向を強めている。米
10年債の場合、11月4日には2.5%台を割り込んでいたが、足元では早くも2.9%台
に達しており、8月6日以来の高水準を記録している。これはドル/円相場でドル
安・円高トレンドに修正を迫る原動力になっているが、投資家のインフレ対応
が進んでいる余波が、為替相場にも波及した形である。

教科書的には、金利上昇は金利を生まない資産である金(ゴールド)に対して
ネガティブである。しかし、過去の歴史を振り返ると、金利上昇局面で金相場
は逆に上昇トレンドを形成する傾向にある。金利上昇と言う表面的な動きより
も、その底流にあるインフレ環境がより重視されている結果である。

こうした観点からは、中国の利上げ懸念で金相場が急落した局面は、上昇トレ
ンドにおける一時的な調整局面に留まるだろう。インフレ環境が本格的に展開
するのはこれからであり、その時に金相場が調整局面を強いられる展開は想定
しづらい。今回の中国ショックは、インフレ環境の開始を象徴する動きと言え
る。それは金相場を取り巻く強気の相場環境は、未だ助走段階に過ぎない可能
性を示唆している。





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 2010/11/15~2010/11/19のレビュー&アウトルック
 中国預金準備率引き上げを受けて、強弱感の交錯が続く
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【貴金属(金・銀)】
COMEX金 1,352.30ドル(▼13.20ドル)
COMEX銀 2,717.90セント(△123.70セント)

中国の利上げ懸念を背景に急落した金・銀相場であるが、ドル安を手掛かりに
再び地合を引き締めている。中国のインフレ環境が過熱する中、中国当局が早
期利上げに踏み切るとの観測から主要商品相場は軒並み値崩れを起こしたが、
その中国の商品・株式市場が安定感を取り戻していることで、値ごろ買いが下
値を支えている。こうした中、欧州地区で懸案事項となっていたアイルランド
の金融部門に対して、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)が救済に乗り出す
との観測が浮上している。実際、21日にはアイルランドが支援要請に踏み切っ
たとの報道もあり、ユーロ売り・ドル買いポジションの巻き戻しが、「ドル安
→ドル建て貴金属相場上昇」のフローを促している。中国市場発の不安定な値
動きを、ドル安圧力が相殺する構図になっている。

今後は、欧州債務危機再燃に対する懸念を受けて、ドル安トレンドが確立する
かがポイントになる。米量的緩和政策に対して批判の声も強くなっているが、
17日発表の10月米消費者物価指数(CPI)のコア指数上昇率が過去最低に留まる
中、当局の緩和的な政策スタンスが転換を迫られる状況にないだろう。加えて、
バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長ら当局者は緩和政策の正当性を強
く訴えており、ドルの下振れバイアスが強い投資環境は維持される見通し。年
末が近づく中であえて大規模なロングポジションを構築する動きは限定される
ことになるだろうが、下値不安は後退している。中国利上げ懸念の蒸し返しが
リスク要因になるが、ボトムが明確に確認される時期は近いとみている。



【貴金属(PGM)】
NYMEX白金 1,671.10ドル(▼13.50ドル)
NYMEXパラジウム 703.70ドル(△30.05ドル)

週前半は中国の利上げ懸念を背景に急落するも、その後は金相場同様にドル安
の支援を受けて、下げ幅を縮小している。パラジウム相場はプラスサイドに転
じている。英貴金属大手ジョンソン・マッセイ社より「Platinum 2010 Interi
m Review」が発表された。2010年需給に関して、白金は29.0万オンスの供給超
過(前年は63.5万オンスの供給超過)、パラジウムは4.5万オンスの供給超過(
同78.0万オンスの供給超過)とされたが、マーケットの反応は限定的。生産量
がほぼ横這いの一方、景気回復傾向と連動して自動車触媒や工業需要の改善が
確認されるも、供給超過状態の解消には至らず。11年も需給バランスの大きな
変動は想定しづらい。ただ、相場は需給よりもドルや金相場の動向に左右され
る展開が続く見通しに変化なし。

短期的には、中国利上げ懸念を早期に消化できるかが焦点になる。中国市場の
不安定な値動きが買い玉整理を促しているマーケットであり、中国市場の沈静
化と連動して、徐々に地合を引き締める可能性が高い。19日の預金準備率引き
上げに対する反応の鈍さからみても、中国経済の先行き不透明感を受けての手
仕舞い売りは一巡の時期が近いことが窺える。為替市場では再びドル安圧力が
強くなっていることもあり、押し目買いの機会を探るステージに移行すること
になるだろう。金相場同様に、来年に向けての買い場を構築する好機とみてい
る。



【石油】
NYMEX原油 81.98ドル(▼3.36ドル)
NYMEXガソリン 212.71セント(▼3.81セント)
NYMEXヒーティングオイル 229.18セント(▼8.88セント)

中国の利上げ懸念を背景とした売りが上値を抑えるも、WTI原油は80ドルの節目
を前に下げ一服になっている。「中国の利上げ→景気減速→石油需要減退」の
フローが警戒されているが、80ドル割れを試すような展開はオーバーシュート
との見方も強く、ブレーキが掛かっている。19日に中国が預金準備率の引き上
げを発表した際も、下げ幅は限定されており、中国利上げ懸念の消化が着実に
進展していることが窺える。国際エネルギー機関(IEA)は11月月報で2010年の
世界石油需要見通しを日量20万バレル上方修正するも、マーケットの反応は鈍
い。経済協力開発機構(OECD)加盟国の需要見通しが見直されていることは評
価できるが、マクロな需給見通しに大きな修正を迫るような動きではない。一
方、イランのハティビ石油輸出国機構(OPEC)理事からは、消費国が100ドルの
原油相場を支持するとの、見方が示されている。産油国の志向する価格水準は
従来の80ドルから、上振れ傾向にあることは確認しておきたい。

引き続き、中国絡みの動向に注目せざるを得ない。世界石油需要に占める中国
の比率は約1割、需要の伸びに占める比率は2割を超えており、世界石油需給バ
ランスは中国経済に強く依存した展開が続くことになる。ただ、中国当局が経
済成長路線を犠牲にしてまでインフレ抑制に動くとは考えづらく、中国の利上
げ懸念は原油相場の中長期需給に影響を及ぼすような材料とは考えていない。
これまでの急騰相場の反動からパニック的な動きもみられるが、80ドル水準は
ボトム圏とみている。ここからは、買いスタンスで対応すべきだろう。



【ゴム】
TOCOMゴム 370.30円(△2.80円)

中国の利上げ懸念を背景に一時は350円台を割り込むも、上海相場の下げ一服や
タイトな需給環境の再評価を受け、再び地合を引き締めている。タイ農業省は、
最近の洪水によるゴム農園への影響は限定的としているが、生産者組合である
ゴム協会は年間生産見通しの大幅な下方修正に踏み切るなど、天候障害の評価
については見方が交錯している。ただ、生産地からの荷動きが鈍い一方で、需
要家が高値でも買い付けを継続していることで、産地相場主導で安値是正の動
きが活発化している。まだ上海相場の本格的な戻りはみられないが、相場急落
で上海取引所認証在庫の急増傾向に歯止めが掛かるなど、需給逼迫感解消には
価格水準を一段と引き上げることが必要不可欠な状況に。


今後も中国関連の動きには注意が必要であるが、欧米系タイヤメーカーなどが
高値でも調達を継続していること、産地からの荷動きに改善の兆候がみられな
いことを考慮すると、ダウンサイドリスクは限定的だろう。本格的な戻りには
上海相場の底入れ確認が必要条件になるが、需給逼迫状況の解消には、価格を
一段と引き上げて需要を減退させるか、供給環境の改善を待つ必要がある。目
先は375円の節目が抵抗線になるが、中国市場が再びパニック状態に陥ることが
回避されれば、同水準突破の可能性は十分にあるだろう。



【穀物】
CBOTトウモロコシ 520.75セント(▼13.25セント)
CBOT大豆 1,201.50セント(▼67.50セント)
CBOT小麦 669.25セント(▼59.50セント)

中国の利上げ懸念の影響を強く受け、急落地合が継続している。中国当局は19
日に今年5回目の預金準備率引き上げに踏み切るなど、インフレ抑制の動きを活
発化させている。特に、食品価格がインフレ圧力を主導していることで、当局
が価格統制の動きを強めるリスクが警戒されている。大連の穀物相場は安定化
の兆候を見せているが、世界最大の人口を抱える中国の穀物相場が下振れすれ
ば、米国産に対しても価格押し下げ圧力が強まることは否めない。加えて、中
国政府は大豆備蓄在庫の放出に踏み切るなど、需給に直接的な影響を及ぼすよ
うな動きも見せ始めている。米国の現物ベーシス相場は上昇傾向を見せるも、
価格急落傾向を考慮すると、弱さが否めない。需給と乖離した投機的安値形成
が続くも、中国利上げ懸念の消化が遅れている。

価格低下が需要拡大を促すフローが鈍く、短期的には一段安の可能性も否定で
きない。工業品セクターとの比較では、相対的な地合の弱さが明らかである。
ただ、2010/11年度の在庫率はトウモロコシで6.2%、大豆で5.5%と、二ケタ台を
大きく割り込むタイトな需給環境に変化はない。中国市場発のパニック状態が
収束に向かえば、他穀物相場との比較で割安感のある大豆相場を中心に、戻り
を試す展開が活発化することになるだろう。需要環境の改善が遅れていること
で、トウモロコシ相場の6ドル台回復へのハードルは低くないものの、大豆相場
の13ドル台回復は容易とみている。



【ソフト】
ICE砂糖 26.15セント(▼0.06セント)
ICEコーヒー 211.25セント(△7.90セント)
ICE綿花 123.15セント(▼11.03セント)

中国の利上げ懸念は綿花相場を大きく押し下げるも、砂糖相場は下げ渋り、コ
ーヒー相場は反発に転じている。綿花相場は、鄭州綿相場の急落地合が続いて
いることもあり、ボトム確認が先送りされている。中国国内の生産環境悪化な
どには変りがないものの、投資環境悪化が投げ売りを誘っている。一方、砂糖
は25セント水準で当面のボトムを確認した形に。こちらも中国の利上げ懸念で
大きく値位置を切り下げたが、足元の需給逼迫環境を考慮すると、20セント台
前半はオーバーシュートとの見方が強い。インドの輸出再開見通しが上値圧迫
も、消費国のタイトな需給環境が改善するのかは不透明感が強い。また、コー
ヒーは200セント水準でのサポートの強さが確認されたことで、再び上値追いの
展開に。チャート要因の影響が大きい。

綿花相場は中国市場主導で下落しているだけに、中国市場の混乱収束待ち。約
1ヶ月ぶりの安値を更新するも、下値不安が残る。砂糖相場はインド当局の輸出
再開見通しが強いものの、月内に予定されている輸出割当にサプライズがなけ
れば、ダウンサイドリスクは限定的だろう。インドは200万トン規模の輸出が可
能となる見通しだが、国際需給の逼迫感解消には不十分との見方も浮上してい
る。需要家の高値容認ムードも強く、本格的な値崩れは想定しづらい。コーヒ
ーは200セント台前半での高値安定か。ブラジルやベトナム産の供給環境は整っ
ているが、マイルド系の品薄状態を手掛かりに、投機買いが膨らみ易い。チャ
ート環境の影響が大きいことで、200セントの節目を維持できるかに注目したい。


※価格は、海外市場は中心限月、国内市場は期先限月。
※カッコ内は前週比。△はプラス、▼はマイナスを意味する。


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発行者:小菅努(商品アナリスト)
発行者E-Mail:kosuge_tsutomu@hotmail.com
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所属会社:大起産業株式会社 http://www.daikiweb.co.jp/
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