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小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~

小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~

コモディティ(商品、Commodity)市場の分析レポートです。株式や債券、通貨などとは密接に関係しながらも独自の価格形勢ルールを持つコモディティ(商品)市場の分析・解説を行います。


2000年代に入ってからは原油を筆頭にコモディティ価格が軒並み過去最高値を更新しましたが、2010年代に入ってからはその景色が一変しています。これまでの一方的にコモディティ価格が上昇し続ける「資源の時代」には終止符が打たれましたが、世界経済・政治へのインパクトの大きさという意味では、なおコモディティ価格動向を無視することができない「資源時代」が続いています。


こうしたコモディティの価格を決定するのが商品先物市場ですが、必ずしも一般の認知度は高くありません。金融市場とは違う「特殊な市場」というイメージに加え、コモディティの特性や需給環境に対する情報が決定的に不足していることに原因があるのではないでしょうか。


このメルマガでは、こうしたコモディティ市場(原油、貴金属、非鉄金属、天然ゴム、穀物など)の値動きを分析し、必要に応じて他マーケットやマクロ経済の動向にも言及します。標準的な需給分析、マネーフロー分析から見えてくるコモディティ相場の世界になります。基本的にテクニカル分析は行いません。


コモディティを取り扱う商社・事業会社、商品デリバティブや商品ETF、貴金属、資源株などの投資家・金融機関はもちろん、株式、債券、為替市場の一般投資家、経済に関心があるビジネスマンなど、コモディティに関心のある全ての方に役立つ情報を提供していく方針です。

発行者:小菅努(商品アナリスト) 価格:1,944円/月(税込)

 
☆☆☆サンプル版をご覧の皆様へ☆☆☆
このメルマガは、毎週2回以上、コモディティ市場の分析レポートを発行します。
2015年12月14日に実際に配信されたレポート(一部修正)を公開します。



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           小菅努のコモディティ分析
       ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~

  2015年12月14日(月)発行(サンプル)
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ご購読ありがとうございます。  原油相場の下落傾向が続く中、IEAが12月月報を公表しました。IEA月報については余り詳細な解説は見掛けませんが、当レポートでは供給・需要・在庫のポイントとなる点を網羅的に解説します。OPEC総会を経て、IEAがみている原油需給の世界をみてみましょう。


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 IEA月報が確認した原油市場の「現実」、過去最高の在庫報告から1ヶ月経過
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<原油相場のリアリティに注目せよ>
NYMEX原油先物相場は、9~10月の1バレル=45~50ドル水準に対して11月は40~45ドル水準までコアレンジを切り下げたが、12月入りしてからは早くも35ドル割れを打診する動きを見せている。8月24日の安値37.75ドルを下抜き年初来安値を更新したが、なおどこまでの下値切り下げが可能なのか、年末まで残すところ半年になっているにもかかわらず、安値更新の挑戦を繰り返している。リーマン・ショック後の安値が2009年2月に示現した33.55ドルとなるため、年内に同水準を突破する可能性さえも否定できない状況になっている。


なお国際原油需給の緩和フレームを否定するための需給リバランスが十分に進展していないとの見方が、投機売りを呼び込んでいる。米商品先物取引委員会(CFTC)が12月11日に発表した最新の建玉報告(COTレポート)によると、大口投機筋(Non-Commercials)の買いは前週比+4,506枚の48万0,088枚となっており、2週連続で買い残高を拡大している。相場急落を受けて、買いポジションを構築する好機と評価した向きも少なくないことが確認できる。ただ、売りポジションはこれを上回る前週比+1万5,110枚の28万2,214枚となっており、なお投機マネーは全体として原油価格に対してネガティブな評価を下した状態にある。


12月に原油相場が更に下値を切り下げたきっかけの一つが、12月4日にウィーンで開催された石油輸出国機構(OPEC)総会であったことは間違いない。少なくとも来年6月のOPEC総会までにOPECの供給管理が再開される可能性が極めて低いことが再確認される中、原油需給の緩和状態が早期に解消されるリスクが一気に低下したためだ。事前にサウジアラビア当局者などから協調減産に前向きな発言も確認されていたため、マーケットの一部ではサプライズ的に減産が合意されると期待していた反動もあっただろう。


こうした中、12月11日には国際エネルギー機関(IEA)から今年最後となる12月月報(OMR)が公表された。従来だと、IEA月報は年間需要見通しの修正状況が僅かに注目される程度であり、原油価格形成に決定的な影響を及ぼすようなことは多くなかった。しかし、マーケットが原油需給と価格の双方に強い先行き不透明感を抱く中、特に今年に入ってからはIEAが原油需給にどのような見通しを示すのかは極めて高いレベルで重視される傾向が強く、IEAが需給緩和状態と原油安の是正見通しを示すのか、それとも更に原油需給の緩和・原油安が続くとの見通しを示すのかは、大きなインパクトを有するようになっている。


そこでIEAの12月月報をみてみると、今回は「現実を確認せよ(Reality Check)」と、これだけではよく意味の分からないサブタイトルが付けられている。11月月報のサブタイトルは「30億バレルのクッション(3 Billion Barrel Cushion)」となっており、経済協力開発機構(OECD)加盟国の石油在庫が過去最高水準に到達し、それが供給障害に対する「クッション」になっていることが、原油価格を更に下押しするプレッシャーになるとの見方が示されていた。実際にそのご1ヶ月で原油相場は大きく水準を切り下げたが、IEAが指摘している原油相場の「現実(reality)」とは何なのだろうか?



<OPECの戦略は成功に進み、戦略転換はない>
今回のIEA月報はOPEC総会からちょうど1週間後に公表されたことで、OPEC総会に対しても評価が行われている。IEAは、「OPECが公式生産目標を撤廃し、増産余地を残したことは、現在の原油市場の現実(current oil market reality)を事実上承認したものだ」との評価を下している。OPEC内では、サウジアラビアが1年前に他の加盟国に対して、原油供給を削減することよりも、市場シェアを維持することを納得させている。その後、原油価格は40ドル水準を漂い7年ぶりの安値更新に近づいているが、12月初めの総会での決定は、「低コストのOPEC産原油の供給を最大化し、高コストの非OPEC産原油を市場から駆逐する(drive out)決意を新たにしたものだ」と評価されている。そして、この決意は「価格動向に関係なく」行われているとされ、OPECがなお原油需給と価格の双方に責任を持とうとしない「現実」に変化がないことに注意を喚起している。


しかも、上述のようにOPECは生産目標を設定しないという無責任(freewheeling)な政策を展開しており、来年は更にイランが経済制裁の緩和を受けて増産を開始することが予測されている。OPECの産油量は今年下期は平均で日量3,170万バレルという高水準を推移しており、特にサウジアラビアとイラクは過去最高水準の原油供給を行っている。


警戒されるのは、こうしたOPECの原油安誘導で市場シェアを維持・拡大する戦略の破綻であり、OPEC総会前にサウジが協調減産に合意するとの一部観測も、OPECの戦略破綻を前提にしていた。しかしIEAは、「サウジ主導の戦略が機能し始めている証拠がある」との評価を下している。特にOPEC非加盟国での生産調整の動きが報告されており、年初の段階ではこれらの地域で日量220万バレルの増産が見込まれていたのが、直近の11月時点では30万バレルの増産に留まっていると報告されている。更に、2016年は前年比で60万バレルの減産が予想されており、米国のシェールオイルを中心に増産が止まり減産に転じ始めることから、OPECの戦略が機能している証拠として提示されている。


一方、需要サイドでは価格低下を受けて米国や中国でガソリン需要が伸び、インドではタンクに保管する動きが活性化していることが報告されている。ただ、低炭素社会への移行が進んでいることで、当面の需要は7~9月期にピークを打ち、目先は減少に転じるとされている。IEAの需要見通しによると、7~9月期の世界石油需要は日量9,543万バレルだが、10~12月期には9,528万バレル、来年1~3月期には9,481万バレル、4~6月期には9,511万バレルと低迷状態が続き、7~9月期の9,647万バレルで漸く拡大トレンドが再開される見通しに留まっている。15年の世界石油需要は前年比で日量+180万バレルが見込まれているが、価格急落の需要刺激効果が薄れる16年は+120万バレルまで伸びが鈍化する見通し。



<在庫積み増しは続き、まだ積み増し余力もある>
原油需給バランスとしては、非OPECからの供給が縮小する一方、需要の伸びが鈍化することで、来年の在庫積み増しペースは鈍化するとの見通しが示されている。価格低下で供給減少の動きが強まるも、なお在庫積み増し圧力が否定されることはないというのが、IEAの分析である。更にイラン産原油の増産状況次第では在庫が3億バレル程度上振れする可能性も指摘されている。


ここで焦点になるのは、ゴールドマン・サックス・グループが原油需給・価格転換の鍵を握ると指摘している在庫保管能力だが、この点についてIEAは、十分な余裕があるとの見方を示している。ゴールドマンの分析では、在庫貯蔵能力が限界に達すれば産油会社の操業が抑制され、減産圧力が需給緩和と原油安の是正につながるとされている。しかしIEAは、米国の在庫貯蔵能力は未だに70%しか活用されていない一方、2億3,000万バレルの貯蔵能力が新たに獲得されることで、すぐに在庫能力がひっ迫することはないとしている。


在庫水準からも「現実(reality)が確認」できるとして、2016年も在庫増加傾向が続き、大量の原油が相場を圧迫し続けるとの悲観的な相場見通しが維持されている。11月月報では「在庫積み増しが原油価格を更に圧迫する」との見通しが示されたが、実際にその後1か月の原油価格が軟化し、更に在庫積み増し傾向に変化がみられない中、厳しい原油市場の現実が再確認されている。IEAが指摘している原油相場の「現実(reality)」は、なお原油価格にとってなお厳しい時間帯が続く可能性が高いことを示している。



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こうしたコモディティの価格を決定するのが商品先物市場ですが、必ずしも一般の認知度は高くありません。金融市場とは違う「特殊な市場」というイメージに加え、コモディティの特性や需給環境に対する情報が決定的に不足していることに原因があるのではないでしょうか。


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