□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年07月30日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 米国内原油在庫とWTI原油との関係を読む / ロシアがOPECとの協調放棄? =================================== <在庫環境は70ドル台を支持している> NYMEX原油先物相場は、7月3日の1バレル=75.27ドルをピークに19日の66.62ドルまで急落したが、その後は再び70ドルの節目を意識した押し目買い優勢の展開になっている。ただ、直近高値は7月26日の69.92ドルとなっており、70ドル台乗せには失敗するなど、決定打を欠いている。6月下旬はリビア、カナダ、ベネズエラなどの供給障害を手掛かりに急伸したが、7月中旬にはそのリビアで生産・出荷が再開されたことを手掛かりに急落地合に転じた。ただ、改めて本格的な値下がりを打診するような動きまではみられず、決定打を欠いている。相場テーマも明確化しているとは言い難く、必ずしも重要性の高くない相場テーマに一喜一憂する展開になっている。 比較的分かり易いテーマは、米原油・ガソリン在庫の減少傾向である。米エネルギー情報局(EIA)によると、米国内原油在庫は5月18日の4億3,813万バレルをピークに、直近の7月20日時点では4億0,494万バレルまで減少している。7~8月は例年、製油所向け原油需要が年間ピークを形成する時期のため何らサプライズ感はないが、これは2015年2月20日以来の低水準であり、2017年3~4月にかけては5億3,000万バレル台に達していた米原油在庫が正常化に近づいていることが再確認できる。14年のこの時期は3億3,933万バレルとあって、現在の在庫水準でタイト感までは浮上してこない。しかし、米原油在庫とWT原油相場との間には明確な逆相関関係が認められており、このまま在庫水準の正常化が進むのであれば、需給バランスを象徴する在庫減少と連動した原油高が進むことになる。… … …(記事全文3,812文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)