□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年06月21日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== OPEC総会直前レポート、論点整理とシナリオ =================================== <OPEC総会開催へ> NYMEX原油先物相場は5月22日の1バレル=72.90ドルをピークに調整局面入りし、6月入りしてからは65ドルの節目水準で揉み合う展開になっている。石油輸出国機構(OPEC)やロシアなどが協調減産政策の緩和(=増産)での合意形成を進めていることに加えて、米中貿易戦争化のリスク、ドル高傾向なども上値圧迫要因になっている。ただ、6月22~23日のOPEC総会、加盟国・非加盟国の協議ではどのような結論が出されるのか見通しが描けない状況が続く中、65ドル水準で調整一巡となるのか、それとももう一段階の下値切り下げを打診するのか、判断に迷っていることが窺える。 一般的に、OPEC総会でのサプライズというサプライズという事態は起きづらい。というのも、OPEC憲章第11条C項では、OPEC総会での決定について「全加盟国の全会一致(the unanimous agreement of all Full Members)」を求めており、事前に十分な調整を行わない状態で合意形成を行うことは難しいためだ。最低でも多くの加盟国の合意事項に明確に反対はしない消極的な賛成、ないしは黙認状態まではコンセンサスを形成しておく必要があり、事前の調整に失敗すると必然的に何も合意ができないという事態に陥る可能性がある。… … …(記事全文4,572文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)