□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年01月30日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 季節要因がもたらす需給緩和リスク、シェール増産加速はまだ必要ない =================================== <ドル安の影響大きい原油高> 各国の金融政策正常化に対する思惑が膨らむ中、為替市場ではユーロ高・円高・ドル安トレンドが形成され、ドル建てコモディティ相場高の流れの中で原油相場も堅調に推移した。需給面では、米原油在庫が10週連続で減少していること、産油国が2019年以降の政策調整にも意欲を示していること、国際通貨基金(IMF)の世界経済成長見通し引き上げといった動きも好感されている。NYMEX原油先物相場は年初の1バレル=60.20ドルに対して、1月25日高値は66.66ドルに達し、足元でも65ドル前後の価格水準を維持している。 年初からの価格変動をみてみると、原油相場は最大10.7%の上昇率を記録する一方、ドルインデックスは4.1%の下落率を記録している。ドル安ペースの加速と連動して原油価格動向におけるドルインパクトも増しており、現時点では年初からの原油高の38%はドル安要因で説明が可能である。米長期金利が断続的に上昇し、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速の議論も活発化する中でのドル安に対しては違和感を抱く向きも多いが、足元では欧州中央銀行(ECB)と日本銀行の政策正常化プレッシャーの方が重視されている。二国間通貨の金利差分析などからはドル高再開の余地もあるが、2015年から既に利上げサイクルを開始しているFRBに対して、ECBと日銀の出口論に関しては時間軸が大幅に修正されており、投機マネーの大規模なポジション調整を伴う形でユーロ高・円高・ドル安優勢の地合が続いている。… … …(記事全文4,233文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)