□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年11月21日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。原油相場の短観です。協調減産の延長期待で急伸していた原油相場ですが、ここにきて雲行きが怪しくなっています。主役はOPEC非加盟国のロシアであり、急速な原油高を受けて政策調整の必要性に疑問を抱き始めています。11月30日のOPEC総会のシナリオ分析を中心に、原油相場の現状と今後の見通しを検証します。 =================================== ロシアが協調減産延長に難色、イベントラリーがもたらした不協和音 =================================== <原油価格の高騰一服> NYMEX原油先物相場は11月8日の1バレル=57.92ドルで上げ一服となり、その後は一時54.81ドルまで軟化するなど50ドル台中盤付近で揉み合う展開になっている。本格的に値崩れを起こすには至っていないが、2週間にわたって高値更新は見送られており、国際原油需給のリバランス進展に対する期待感を背景とした原油高に対しては、一定のブレーキが掛かった状態になっている。 現段階では、需給リバランスの大きな流れが破たんした訳ではない。国際エネルギー機関(IEA)も11月の「Oil Market Report」において、2018年上期に再び供給超過状態に陥る予想を示しつつも、「全体として市場のバランスは取れる(overall market balance)」との見通しを示し、総じて堅調な需要環境と協調減産の効果によって、国際原油需給バランスが安定化するとの見通しは維持されている。… … …(記事全文4,362文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)