□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年11月20日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。金相場の短観です。税制改革の議論の進展状況が最大の関心事になっていますが、内部要因の目線から現状を分析した上で、税制改革の見方を紹介します。また、2018年の商品インデックス・ファンドのリバランス計画についても簡単に触れます。 =================================== 米税制改革の議論を前に膠着状態に陥る金相場、投機買いが膨らまない理由 =================================== <リスクオフではなく、売買見送り> COME先物相場は、1オンス=1,200ドル台後半で揉み合う展開になっている。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策正常化に対する信認が高まる中、9月8日の1オンス=1,362.40ドルをピークにコアレンジを切り下げている。ただ、11月入りと前後して「米税制改革の先行き不透明感」が金市場のみならずマーケット全体の中心テーマになる中、金相場の下げは一服しており、若干のリバウンド圧力が観測される状況になっている。しかも、11月11日にはロシアの米大統領選関与疑惑を調査しているモラー特別検察官がトランプ陣営に初となる文書提出命令を出していたことが明らかにされたことで、トランプ陣営から更に起訴される人物が出てくることで、政権運営が不安定化するのではないかとの警戒感が、一時1,297.50ドルまで相場を押し上げている。 もっとも、11月入りしてから金市場に対する投機買いが大きく膨らんでいる訳ではない。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、大継投機筋のネットロングは10月24日の19万1,385枚で底打ちした後に増加に転じているが、直近の11月14日時点でも19万5,084枚であり、3週間で僅か3,699枚の増加に留まっている。この程度であれば誤差の範囲内であり、米税制改革の先行き不透明感は安全資産に対する「質への逃避」を促すよりも、ポジション調整中心の展開への移行を促している可能性が高い。… … …(記事全文4,965文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)