□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年10月31日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。原油相場の短観です。協調減産の延長議論を巡る最新動向、これまでの大きな流れ、今後の展望等を検証します。 =================================== 協調減産延長を織り込む原油相場、5月の減産延長合意時との違いは? =================================== <減産延長合意に近づく> 原油相場の上昇地合が続いている。NYMEX原油先物相場は、9月末から10月初めにかけては1バレル=50ドルの節目で揉み合う展開になっていたが、10月30日の高値は54.46ドルに達しており、中心限月ベースでは2月27日以来となる約8カ月ぶりの高値を更新している。50ドル台ではシェールオイルの増産ペースが再び加速するのではないかとの警戒感も強いが、それ以上に需給リバランスへの信頼感が強く、3~6月期の相場低迷局面を7~9月期で取り戻し、10月は1~2月期の価格水準に回帰することに成功している。今年の高値は年初の1月3日に付けた55.24ドルとなっているが、漸く年初来高値更新も現実的なターゲットとして設定できる状況になりつつある。 特にここにきてマーケットの注目度が高まっているのが、協調減産の延長議論である。石油輸出国機構(OPEC)やロシアなどは今年1月から協調減産を実施しているが、現在の期限は2018年3月末となっている。当初は今年6月末までだったのを、需給リバランスの進展を確実なものにするために、9カ月延長した経緯がある。しかし、来年3月時点で需給リバランスが完結し、更には協調減産解除(=増産)を許容できる余裕が存在するのかは疑問視する向きが多く、来年末まで更に9カ月の減産期間延長の方向で調整が進んでいる最中である。… … …(記事全文4,417文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)