□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年10月19日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。原油市場で改めて注目を集め始めている中東情勢について、原油市場の観点から解説します。 =================================== イランとイラク、中東の地政学リスクに反応し始めた原油相場 =================================== <イラクの原油供給障害は一時的か> 中東情勢の不安定化が、原油市場における新たな買い材料として評価されている。「イラク北部のクルド自治区の独立問題」と「トランプ政権の対イラン政策」の二つが、原油市場に供給不安をもたらしている。 ブレント原油とWTI原油のスプレッドをみてみると、今年は7月まで1バレル2.00~3.50ドル水準で推移していたが、8月中旬から徐々に拡大圧力が強まり、9月以降は5.50~7.00ドル水準での推移が目立つ状況にある。当初は米南部を連続して襲ったハイケーンの影響で米国内製油所の操業トラブルが発生する中、WTI原油が下落した一時的な動きとみられていた。しかし、製油所稼働の回復後も逆にブレント原油とWTI原油のスプレッドが拡大傾向を見せていることからは、中東情勢の先行き不透明感が地理的に近いブレント原油に対して、特に大きなプレミアム加算を促している可能性が推測できる。… … …(記事全文4,084文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)