□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年08月01日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。ブレント原油に続いて、WTI原油もついに50ドルの大台を回復しました。6月は30ドル台突入は必至とみられていた相場ですが、何が原油市場の流れを変えたのかを読み解きます。 =================================== WTI原油相場が50ドル台回復、原油価格上昇のロジックを検証する =================================== <6月と一変した7月以降の原油相場環境> NYMEX原油先物相場は、7月31日の取引で1バレル=50ドルの大台を回復した。6月21日には42.05ドルまで値下がりして30ドル台突入も近いとみられていたが、その後はほぼ一貫して押し目買い優勢の展開になり、5月30日以来となる約2カ月ぶりの50ドル台を実現した格好になっている。マクロな視点でみれば、1~2月の50~55ドル水準に回帰する動きに過ぎないが、弱気ムード一色となっていた5下旬や6月上旬と比較すると、相場環境が劇的に改善していることが窺える状況になっている。 特に顕著なのは、原油市場から弱気筋が一斉に撤退し、それと連動して改めて買いポジションを構築する動きが広がっていることだ。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、大口投機筋(Non-Commercials)は7月25日の週まで4週連続で売りポジションを削減しており、6月27日時点の31万1,690枚に対して、23万5,712枚まで弱気スタンスを後退させている。これだけであれば自律反発との評価に留まるが、6月以降は買いポジションも調整を経ながら着実に増加しており、直近の65万9,050枚は3月14日以来で最大になっている。マネーフローの観点でも、「弱気筋の撤退」と「強気筋の参入」という典型的な強気相場型の動きが観測されている。… … …(記事全文5,043文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)