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「視点を広げる - 大西宏のマーケティング発想塾」

「視点を広げる - 大西宏のマーケティング発想塾」

生きたマーケティングはユニークな発想力から生まれてきます。そして発想を広げ、また深める鍵は「視点」の置き方です。このメルマガは、マーケティングの仕事に携わっていない方でも、マーケティングの考え方や面白さが身につくことを目指して発行しています。

発行者:大西宏(コア・コンセプト研究所代表取締役) 価格:515円/月(税込)

 
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        発想を思い切り変えよう!視点を変えれば先が見えてくる
                   大西宏のマーケティング発想塾

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                2010年11月01日 Vol.0000 サンプル号
      マーケットの異変の最大の原因は、売り手と買い手のギャップ
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スーパーでも、家電量販店でも、ドラッグストアでも訪れると、売り場の棚には、おびただしい商品が並んでいます。

豆腐一つにしても、いくつものブランドから幾種類もでていますが、たとえば京都の古い街並みのなかにある豆腐屋さんでは、絹こし、木綿、焼き豆腐ぐらいしかありません。しかも、いつもたくさんのなかから選んでいる豆腐よりも美味しいことに驚きます。

今、起こっているのは売り手が考えていることと、買い手としての生活者の人たち、またユーザーが望んでいたり、期待していることとギャップが広がってきていることです。

ふたつのギャップがあります。

ひとつは、どんどん品種が増えてきてしまった結果、ユーザーが望んでいないほど商品が増えてしまったことです。そのために商品を選ぶことが楽しいどころか苦痛になりはじめてきています。売り手は、生活者やユーザーの価値観や嗜好の違いにマッチした決め細やかな商品を提供しようとしているのですが、それがかえって買い物の楽しさや快適さ、また利便性を奪ってきているというギャップです。

これは日本だけの現象ではありません。
だから大型スーパーの業績が落ち、むしろ近隣の小型スーパーのほうが業績を伸ばすという現象も起こってきました。米国でも、まずは英国の小売業TESCOが「フレッシュ&イージー」という住宅の近隣で買い物ができる小さめの店舗で米国に乗り込み成功し始めています。世界最大のウォルマート
も大型店展開から、より小ぶりなネイバーストアの展開を広げようとしてきています。高齢化が進めば進むほど、この現象は広がっていきます。

ふたつめは、売り手は競争に勝とうとして、どんどん「違い」をつくりだしてくるのですが、その「違い」が生活者やユーザーにはよくわからなってきています。たまに、マスコミやネットで話題になれば、商品への理解も深まりますが、それぞれの「違い」が、生活者やユーザーに伝わらない、あるいは実際に使ったり、消費しても、よくわからないというギャップです。

とくに携帯やデジカメなどの情報家電では、このギャップが激しく、さまざまな革新的な技術による機能が織り込まれているのですが、それがわからない、また買っても使わないという機能が増えてきました。

実際、売り場に行っても、それぞれがどう違うのかがわからないために、ヤマダ電機が売り場で、商品説明をするコンシエルジュを配置したり、ネットでの口コミに頼る、場合によっては、実際は利益率のいいものがおすすめになっているにもかかわらず、それを頼りに選んでしまうということになりかねません。

そういえば、カシオがデジカメで目的別の売り場展開を始めたようですが、その成果がどうでるのかは注目しておきたいところです。

市場が伸びていた頃は、市場を細かく分け、ライバルとの新しい「違い」をつくりながら品種を増やしていく、差別化と品種の拡張のマーケティングが効いたのですが、そんなギャップが生まれてきたために市場の逆襲が起こってきています。

品種は増えたにもかかわらず市場の縮小に歯止めがかからず、どんどん非効率になってきたことと、新製品の寿命が短くなり、しかもどれぐらいが生き残るかという残存率が下がってきており、売り場確保の自転車操業状態になってきたことです。

そういったギャップをついてきているのが小売業のPBです。日本は小売業の寡占化が遅れたためにインパクトがまだ小さいのですが、世界的に見ればPBはもはやメーカーのブランドよりも大きくなってきています。

日本では、イオンがやっとPBの販売比率が20%程度だと発表していましたが、英国のTESCOや米国のウォルマートでは、PB比率が40%を超えています。ドイツのアルディにいたってはPBが90%を超えています。いずれも日本の大手量販よりは大きな小売業です。

商品のよさが伝わらず、どれを選んでいいかが分からなくなると、価格が安く、生活者やユーザーがそこそこ満足する品質の商品が選ばれるのは当然の流れです。

なぜ、こういったギャップが生まれてきたのでしょうか。ライバルを見すぎているのです。ライバルとの違いをつくる差別化戦略は、どうしても売り手の視点の発想になってしまいがちです。

自社の商品について、一度問いかけてみてください。買い手としての生活者やユーザーからすればなにが違うのか、どう違うのか、本当に違うのか。

ほんとうに生活者やユーザーは、その商品で共感してくれるのか、もっといえば感動してくれるのか、実際の利用シーンや消費シーンに変化があるのかです。

我社の〇〇は、生活者やユーザーの〇〇を変える。我が社の〇〇は、生活者やユーザーにとって〇〇が違う。

そして、その次に、問いかけてみるのは、商品そのものや売り方で、発想がライバルと大きく違っているかどうかです。発想が同じなら、生活者やユーザーにはその違いは伝わりません。

たとえば、業界が「新しい機能」とか、「新しい味覚」互いに違いを追求し、競争しているとしましょう。そこからでてくるアウトプットは似通ったものになってしまいます。

開発会議にしても、営業会議にしても、ほぼ同時刻に、ライバルも同じテーマで会議をしていると考えるぐらいでちょうどいいのです。

業界の流れがそうなら、視点を変え、「新しい使用シーン」、「新しい体験」を追求してみようといったように軸を変えてみると新しいアイデアも広がってきます。

これは結構奥の深い話なので、また別の機会にも書くつもりです。

さて次号は、「シェアの視点を変える」です

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■発想を思い切り変えよう!視点を変えれば先が見えてくる
                   ~大西宏のマーケティ ング発想塾
■配信中止はこちら https://foomii.com/mypage/
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著者:大西宏
著者ブログ:http://ohnishi.livedoor.biz/
Twitter:http://twitter.com/hronishi
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