Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

最悪のタイミングではじまる日米の新たな二国間貿易協議
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月7月7日第477号 ■   =============================================================    最悪のタイミングではじまる日米の新たな二国間貿易協議    =============================================================  きのうの日経新聞が教えてくれた。  日本政府は7月下旬にも初の閣僚級の貿易協議を米ワシントンで開く方向で調整に入ったと。  おりから米国はついに中国と貿易戦争を始めた。  そんな中で米国との二国間貿易協議を始めることは最悪だ。  米国はますます米国第一主義を押し出して、圧力を強めてくるだろう。  しかし、日本は喜んで米国との貿易協議を始めるのではない。  もはやこれ以上引き延ばせないのだ。  逃げまどっていた日本が、最悪のタイミングで協議を始めざるを得なくなったということだ。  果たして安倍政権はどう対応するのだろう。  その記事は三つのシナリオを想定している。  一つは米国の20%自動車追加関税を飲まされることだ。  発動されれば日本の自動車メーカーへの影響は計り知れないという。  二つは日米二国間自由貿易協定(FTA)を求めてくるシナリオだ。  日本はTPPで11カ国の関税引き下げに応じたばかりだ。  それを下回る関税引き下げを米国が要求してくることは間違いない。  それを飲むと、TPP諸国を裏切ることになる。  三つ目は、トランプが自動車関税やFTAにこだわらず、その見返りとして11月の中間選挙前のディール(取り引き)を求めて来ることだ。  これは、米国産防衛装備の輸入拡大や、米国の第三国市場開拓のインフラ整備を日本が肩代わりするシナリオだ。  どのシナリオになっても日本は苦しい。  笑ってしまうのは、この記事が、第三のシナリオが安倍政権にとって一番飲みやすいと書いているところだ。  日本の負担がこれで済むなら、自動車業界や農業の受けるダメージが小さくなるからだという。  一版国民をバカにした記事だ。  こんな苦しい日米貿易協議を担当するのは誰か。  茂木敏充経済財政担当相であるという。  相手はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表だという。  これでは、交渉前から結論はでている。  押し切られる事は明らかだ。  そもそも貿易協議はトランプ大統領と安倍首相が行うべきものだ。  それを、ペンス副大統領と麻生副総理に代わってさせた経緯がある。  それほど重要な日米間の協議だったはずだ。  それが、麻生副総理がユダヤ発言で相手にされなくなって、今や閣僚レベルの交渉になった。  はじめから負けるに決まっている貿易協議だ。  安倍政権はまたひとつ国民をごまかすしかない難題を抱え込んだと言う事である。  野党は安倍長期政権を嘆く必要はない。  安倍首相は、すべての政策で行き詰まって政権を投げ出さざるをなくなる。  間違って政権交代が起きれば、野党は安倍失政の尻拭いをさせられて、たちどころに行き詰まる。  やはり野党では対応しきれないと再び恥をさらすことになる。  すべてを安倍政権の手で済ませた後の方が、何をやっても安倍政権よりはましだという事になる。  好きなだけ安倍首相にやらせた方がいいのだ。  そう思えば腹も立たない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年4月19日に利用を開始した場合、2024年4月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年5月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、ドコモケータイ払い、auかんたん決済をご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

銀行振込では、振込先(弊社口座)は次の銀行になります。

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する