□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月6月20日第438号 ■ ============================================================= 中国の「日中韓首脳会談」打診を素直に喜べない安倍首相 ============================================================= 6月18日に共同が極めて重要なニュースを配信した。 すなわち、中国政府が次回の日中韓首脳会談について、議長国として12月に北京で開催する案を日韓両国に打診していることが17日にわかったというのだ。 本来ならば、大手紙はこの共同の配信を大きく取り上げなければいけないはずだ。 そして、安倍政権はこの提案を受けて直ちに歓迎の意を示さなければいけないはずだ。 なぜなら、米中韓首脳会談は、尖閣問題をめぐる日中間の対立や慰安婦問題をめぐる日韓関係悪化を克服する重要な会談であるからだ。 安倍首相は、長らく開催されなかった日中韓首脳会談を、やっと今年5月に3年ぶりに日本で開催したからだ。 しかし、それでも中国からの出席は李克強首相であり、習近平主席との首脳会談は出来なかった。 今度こそ、安倍首相の訪中が実現できるし、習近平主席との首脳会談が出来る。 12月開催というのも、日中平和友好条約締結40周年を締めくくるにふさわしいタイミングだ。 ところが、安倍政権の反応が伝わってこない。 大手メディアで取り上げたのは6月18日の読売新聞だけだ。 しかもその書き方は冷めている。 なぜか。 それは、米朝首脳会談で合意された南北和平の動きの中で、日中韓首脳会談は北朝鮮との関係改善が議題の中心になるからだ。 おまけに日韓間では慰安婦問題が再燃しつつある。 日中間は、中国の海洋進出と法の支配をめぐる問題で、対立したままだ。 しかも米中対立が激しさを増している。 どう考えても、このタイミングにおける米中韓国首脳会談は安倍首相にとって都合が悪いのだ。 安倍首相が文在寅大統領や習近平主席に詰め寄られることは目に見えている。 これを要するに、安倍首相が 中国の「日中韓首脳会談」打診を素直に喜べない理由のすべては、安倍首相の間違った歴史認識と米国の抑止力に頼るしかない対米従属の外交・安保政策にあるということだ。 首相が変わらなければ真の日中関係、日韓関係の改善はない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)