□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月3月16日第207号 ■ ============================================================= 目が離せない米国とサウジアラビアの原発交渉 ============================================================= 3月14日の日経新聞が教えてくれた。 サウジアラビアのムハンマド皇太子が3月19日から米国を訪問すると。 その目的は、将来の原子力発電のために、ウランの濃縮技術を求めることにあると。 これは注目すべき記事だ。 なぜ世界一の石油埋蔵量を持つサウジアラビアが原子力発電を持とうとするのか。 貴重な収入源である石油をできるだけ輸出に回すためだという。 そのために、太陽光などの再生エネルギーとともに、原子力による発電を増やしたいからだという。 とんでもない冗談だ。 ムハンマド皇太子の真の狙いは、原子力開発で先行するイランへの対抗であり、サウジアラビアもまた核兵器保有国を目指したいことは誰もが知っている。 果たしてトランプ大統領はこのムハンマド皇太子の要求にどう答えるつもりか。 もしトランプ大統領がムハンマド皇太子の要求に応じるなら、完全なダブルスタンダード(二重基準)だ。 あれほどイランに厳しくしながら、その一方でムハンマド皇太子の原発技術要求に応じるなら、米国自身が核の拡散に手を貸すことになる。 既にイスラエルはれっきとした核兵器保有国だ。 中東情勢の危機がますます高まる。 そんな中で、トランプ大統領は北朝鮮の非核化に固執している。 どう考えてもトランプ大統領の政策は一貫性がない。 正統性がない。 はたしてトランプ大統領はサウジアラビア皇太子の要請を受け入れるのか。 3月19日から始まるサウジアラビア皇太子の訪米から目が離せなくなった(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)