□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月3月11日第197号 ■ ============================================================= 米国の輸入規制の適用例外扱いで二番手にもなれなかった日本 ============================================================= 北朝鮮問題と森友疑惑ばかりが報じられているが、安倍政権を追いつめるもう一つの大きな問題がある。 それは、貿易戦争につながりかねないトランプ大統領の一方的な輸入規制宣言だ。 もし北朝鮮問題と森友疑惑がなければ、いまごろはこの輸入規制宣言が最大の問題としてメディアを賑わせていることだろう。 そして、ここでも安倍首相は面目丸つぶれだ。 3月8日、トランプ大統領が輸入規制に署名した時、カナダ、メキシコが適用例外にされたのに、日本の名前はそこにはなかった。 これは失望的だ。 しかし、まだ我慢できる。 カナダ、メキシコは米国と北米自由貿易協定を結んでおり、その改定交渉の真っ最中であるから、トランプがこの二カ国を特別扱いするのは仕方がない。 だから日本は2番目の適用例外国に入れてもらえばいいのだ。 そのため、世耕経済産業大臣がベルギーまで飛んでライトハイザー米通商代表部代表に必死にお願いした。 ところが、米代表は回答を避けたという。 この冷淡さはなんだ。 そう思っていたら、なんとトランプ大統領はわずか1日後の3月9日、ターンブル首相の豪州を例外扱いにする方針を明らかにしたというのだ。 豪州が適用例外国の2番手になり、その一方でトランプ大統領は安倍首相の日本には触れなかったのだ。 しかも、トランプ大統領は豪州のターンブル首相と電話会談して、そう決めたという。 安倍首相は一体トランプ大統領とこれまで何を話して来たというのか。 あれほど電話会談を重ねて来た仲ではなかったのか。 ついこの間の3月9日にも電話会談して、4月初めの訪米を決めたばかりではないのか。 その時、安倍首相はトランプ大統領に輸入規制の適用除外国にしてくれと頼まなかったとでもいうのか。 頼んでもトランプ大統領は応じなかったとでもいうのか。 これで、安倍・トランプの緊密な仲とは、安倍首相の一方的な従属で出来たものだということがはっきりした。 実際のところ、安倍首相になってから、日本は何一つトランプ大統領から利益になることをしてもらっていない。 その一方で日本は米国にやられ放題である。 安倍首相とトランプ大統領の緊密な仲のせいで、とんでもない日米同盟になってしまったということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)