□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月2月26日第158号 ■ ============================================================== 若造金正恩に完敗した老害トランプの外交不在 ============================================================= 南北対話に始まって南北対話に終わった平昌五輪外交合戦だった。 極めつけは、閉会式直前に行われた文在寅韓国大統領と金英哲北朝鮮代表の会談だった。 文大統領が「南北関係改善と朝鮮半島問題の本質的な解決のために米朝対話が速やかに開かれなければならない」と述べたのに対し、金英哲代表は、「米国と対話する用意が十分にある」と表明したという。 その発言を韓国大統領府が公表し、きょうの各紙が一斉に報じた。 これは、その直前にトランプ大統領が北朝鮮への先制攻撃もあり得ると恫喝した事に対する見事な韓国・北朝鮮の反撃である。 その言葉の真意はどうであれ、もはやトランプは、対話に応じる事無く戦争を仕掛ける事は出来なくなった。 そして対話に応じたらトランプは金正恩に勝てない。 金正恩には民族統一という外交的切り札がある。 そして、文大統領はそれを全面的に支持する。 それに対し、トランプにあるのは先制攻撃という脅しだけだ。 これを要するに、北朝鮮が話し合いに応じると表明した途端にトランプには勝ち目はなくなったということだ。 同じ独裁者でも、若造金正恩の見事な変わり身の早さだ。 そして、若造金正恩をその気にさせた文在寅大統領の見事な外交力だ。 果たして、米朝対話は始まるのか。 間違いなく始まる。 そして、金正恩と文在寅が南北対話を優先する限り、米朝対話は南北対話の露払いとなる。 アジアの平和に米国は不要である。 いや、米国こそアジアの平和の敵である。 南北対話を掲げて米朝対話が始まれば、そのことが明らかになる。 米国はアジアから出ていけと言われる前に、米国はアジアから手を引いたほうが身のためだ。 すべてに評価を落としているトランプだ。 せめてそれぐらいの事をしてみたらどうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)