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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

突然の平昌五輪出席は突然の対中微笑外交の裏返しである
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月1月28日第89号 ■   ==============================================================     突然の平昌五輪出席は突然の対中微笑外交の裏返しである  =============================================================  安倍首相が突然に平昌五輪出席を言い出した理由について、いろいろな意見が語られているが、どれも、ぴったりと納得させられるものはない。  そんな中で、きょう1月28日の日経新聞が河野訪中について書いたのを見て、なるほどそうだったのかと思った。  すなわち、その日経新聞の記事はこう書いている。  拉致問題も北朝鮮のミサイル・核問題も、さらには北方領土返還も、何一つ解決の糸口が見つからない中で、対中関係の改善は支持率向上に結びつく数少ない外交だと。  おまけに今年は日中平和友好条約締結40周年の節目に当たる。  中国との関係改善は経済界の期待も大きい。  ここで中国との首脳間の相互訪問が実現できなければ、文字通り安倍外交は行き詰まっていることを国民の前に示す事になる。  そのために、中国側がどう出るかは不透明であっても、なんとしても「今年は中国だ」(首相周辺)の年にしなければいけない。  だから、谷内正太郎NSC局長と河野外相を立て続けに急きょ派遣して首脳の相互訪問実現を急ぐのだ。  こう解説してくれる日経新聞の記事には、安倍首相が突然発表した平昌五輪出席の事は何も書かれていない。  しかし、見事につながる。  安倍首相がソウルを訪問すれば、次は文在寅大統領の訪日が決まったのも同然だ。  慰安婦問題や北朝鮮問題で話し合いがすれ違いに終わっても構わない。  日本の立場を十分に説明したと言えばいい。  首脳間の相互訪問さえできればいいのだ。  まず韓国との間でそれをやる。  そして次はもっとも難し中国首脳との相互訪問実現だ。  尖閣問題や中国の海洋進出問題で話し合いがすれ違いに終わっても構わない。  平昌五輪の時に先例はつくった。  あの時のように、日本側の立場を自ら伝えたと強弁し、それをメディアに書かせればいいのだ。  対韓外交と同様に、対立しておきながら対話する振りをする。  支離滅裂である。  しかし、まず対韓国関係で支離滅裂外交を実践し、日韓関係を改善させたとメディに書かせる。  次は中国だ。  同じように、ついに習近平の中国と首脳間の相互訪問が出来たとメディアに書かせて自画自賛すればいいのだ。  突然の安倍首相の平昌五輪出席宣言は、対中関係改善の布石であり、今年を中国、韓国との関係改善の年にすることができる。  ついに安倍地球儀外交が完結したとアピールできる。  いかにも安倍首相が考え出しそうなことだ。  中身の何もない安倍見せかけ外交を、安倍地球儀外交の完成に見事にすり替える。  その露払いとしての、突然の平昌五輪出席宣言だったという訳である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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