□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月1月21日第73号 ■ ============================================================== にわかに報じられるようになった自民党総裁選の裏にあるもの ============================================================= ここへきて9月の自民党総裁選に関する記事がやたらに目につくようになった。 あたかも今年の政局の最大の焦点は自民党の総裁選であるといわんばかりだ。 無理もない。 野党のこの体たらくだ。 おまけに今年は国政選挙はない。 しかし、それだけではない。 政高党低の自民党では安倍首相に勝てる総裁候補はいないと思われている中で、なんと麻生副総理が安倍・菅コンビの寝首をかこうと動き始めたというのだ。 無理もない。 いまの安倍政権では、すべて安倍首相がいいとこどりをして、麻生副総理の出番はないからだ。 たとえば平昌五輪の出席問題だ。 米国は、はやばやとペンス副大統領の出席を公表した。 それなら、ペンス副大統領と仲の良いと言われている麻生副総理を参加させればいいものを、安倍総理がみずから出席しようとしている。 何でもかんでも、常に安倍首相がしゃしゃり出るのならまだわかる。 しかし、パフォーマンスにならないものは麻生副総理に押しつける。 それが、やがて本格化するペンス副大統領との日米二国間貿易交渉だ。 トランプの言いなりになって無駄な武器を購入して喜ばれ、その代わり、無理難題を言ってくる二国間貿易交渉を断ってトランプに怒鳴られる貧乏くじは麻生副首相に押しつける。 これでは、麻生副総理ならずとも怒るだろう。 おまけに二人の祖父である岸信介と吉田茂とでは吉田茂の方が格が上だ。 麻生副総理が腹を立てるのはわかる。 しかし、それだけなら、もっと早く麻生副総理は反旗をひるがえしてもよかったはずだ。 なぜ、今なのか。 それは、やはり何と言っても、安倍首相に限界が見えて来たからだ。 小泉進次郎がいちはやく、「国民から飽きられている」と喝破した。 飽きられるどころか、6年もやって成果のひとつも見せることが出来ず、おまけに加計・森友、そしてこれから大きくなるスパコン疑惑で、安倍首相は、いよいよ国民に愛想をつかされる事になる。 それを見越した麻生副総理の動きなのだ。 数の上では、麻生派(59人)と宏池会(45人)、旧田中派(55人)を足せば、安倍派(95人)と二階派(44人)を上回る。 おまけに石破派(20人)もある。 何よりも、人事を握られて面従腹背せざるを得ない官僚たちは、圧倒的に安倍首相よりも麻生副総理の方が好きだ。 安倍首相がトランプ大統領と心中する事が見えて来たら、一気に安倍おろしが加速するだろう。 今の野党に安倍首相を倒せなくても、自民党が安倍首相を倒す事になる。 共産党と共闘する、しないでもめている野党なんかより、自民党内の権力争いのほうが国民にとっては、はるかに面白い。 かくて今年の政局は、国会が終わりかけた頃から、9月の自民党総裁選一色になるだろう(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)