□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017月12月17日第982号 ■ ============================================================== トランプは金正恩と手を握る可能性が十分あると語った佐藤優 ============================================================== きょう12月17日の産経新聞「世界裏舞台」で佐藤優氏が書いていたことに私は注目した。 その要旨は以下のごとくだ。 すなわち、トランプの今回の決定(エルサレムの首都認定と米大使館の移転)は内政要因からであると。 司法取引に応じたフリン前大統領補佐官の証言次第では大打撃を受けるおそれが出てくるトランプは、自らの中核的支援者である親イスラエル的な宗教右派を固めるためにあえて踏み切ったのだと。 中東に大混乱を引き起こす事を承知の上でロシア問題を政局の争点から外そうとしたのだと。 そして、そのもくろみはある程度達成できる(トランプ政権は続く)だろうと。 しかし、中東が混乱する事は必至だと。 これからは第5次中東戦争の勃発を防ぐためにトランプも米国の外交当局全力を尽くすだろうと。 しかし、現在の米国に中東と北朝鮮の二正面作戦を展開する余裕はない。 北朝鮮は米本土に到達するミサイルを持っているが、核兵器の小型化と弾頭の大気圏突入能力はいまだ得ていない。 それを知っている米国は北朝鮮のミサイルに直接の脅威は抱いていない。 この状況が維持できるなら、トランプが金正恩と手を握り、北朝鮮の核兵器と中距離までの弾道ミサイルを容認する可能性は十分にある。 これが佐藤優の書いていることだ。 産経新聞といえども大手紙の一つだ。 何百万人の読者がいる。 その新聞の一面に、このような論説を堂々と書けるのは、その情報源がモサド筋であるからだ。 その通りであるという事だ。 これだけなら面白くも何でもない、佐藤優をベタ褒めするだけのメルマガに終わるから、最後につけ加えておきたい。 私がこのメルマガで書きたい事はこれから書くことにある。 この論評の最後はこういう言葉で締めくくられている。 「・・・そうなると(トランプが金正恩と手を結べば)日本全域は北朝鮮の核弾頭のついた中距離弾道ミサイルの射程圏内に入る事になる。日本にとって最悪のシナリオだ」 これこそが佐藤優の真骨頂だ。 そんなことがあり得るはずはない。 なぜ北朝鮮が日本を核攻撃しなくてはいけないのか。 しかも。そもそも北朝鮮が日本を攻撃する気なら、ノドン、テポドンで十分だ。 あり得ない事を煽り立て、米国の核の傘の必要性と安倍政権の軍事力強化政策を巧みに支援する。 佐藤優がメディアに重用されるはずである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)