Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

前代未聞のティラーソン国務長官の発言撤回と米外交の大敗北 
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017月12月17日第981号 ■   ==============================================================      前代未聞のティラーソン国務長官の発言撤回と米外交の大敗北   ==============================================================  私は12月14日のメルマガ第970号で書いた。  ティラーソン米国務長官が講演で語った前提条件なしの北朝鮮との交渉発言は、本当にそうなるかはしばらく様子を見ないとわからないと。  しかし、これほど早く前言を撤回するとは思わなかった。  15日午前(日本時間16日未明)に行われた国連安保理事会でティラーソン国務長官は北朝鮮が非核化するまで圧力をかけ続けなければいけないと各国に圧力強化を呼び掛けたのだ。  これを報じたきょう16日の各紙の中では、唯一毎日だけが「軌道修正したかのような発言」と書いたが、他のすべての報道は、「無条件対話を撤回した」と断じている。  もちろん、前言撤回である。  そして、これは前代未聞の事だ。  いやしくも戦争が始まるかどうかの瀬戸際の外交をしている時に、こんないい加減な発言をした国務長官は、世界に恥をさらした。  もはやティラーソンは辞任するしかない。  いや、辞任さえもできずに、トランプに恥をかかせられたまま、まま放置されるかもしれない。  まさしく役立たずの国務省が続く。  しかし、私がここで書きたい事はその事ではない。  米国と北朝鮮の、核武装をめぐる外交力の差である。  ティラーソン国務長官が無条件交渉の用意があると講演で発言した直後に、ホワイトハウスはそれを否定した。  この米国の迷走の時、当時の報道の中で、タイで開催される安全保障の会合で北朝鮮の代表が出席するので、そこで米朝が接触する可能性があると報じられたことがあった。  ところが、結果的に北朝鮮代表は姿を見せず、結局、米朝対話は行われなかった。  そしてその時の報道で、その理由として、ホワイトハウスがティラーソン国務長官の発言を否定したのを見て、北朝鮮は出席を取りやめたという見方が報じられていた。  まさしく北朝鮮はトランプ大統領の出方を慎重に見極めていたのだ。  そして、今度の国連安保理における米朝の批判の応酬だ。  どのような背景があったにせよ、前言をいとも簡単に撤回して、まるでロボットのように圧力強化を訴えるだけのティラーソン国務長官の言葉に説得力は皆無だ。  その一方で、北朝鮮は、核保有国の中で核兵器を使って他国を恫喝、攻撃する国は米国だけだと反論する。  米国は、ぐうの音も出ないだろう。  外交力でここまで敗北した米国は、あとは戦争をするしかない。  米国が他国に負けないのはそれしかないからだ。  果たして米国の北朝鮮攻撃はあるのか。  それについては次回で書く(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年4月19日に利用を開始した場合、2024年4月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年5月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、ドコモケータイ払い、auかんたん決済をご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

銀行振込では、振込先(弊社口座)は次の銀行になります。

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する