□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017月12月14日第970号 ■ ============================================================== 米朝対話を否定する安倍政権は、外交敗北を認めたも同然だ ============================================================== ティラーソン米国務長官が北朝鮮との対話を前提条件なしで行う用意があると発言したらしい。 これがもし本当にトランプ政権の方針であるならビッグニュースだ。 しかし、本当にそうなるかは、まだしばらく見極める必要がある。 なにしろ、ティラーソン国務長官はトランプ大統領と対立して近く更迭されると報道された人物だ。 しかもこの発言は公式発表ではない。 講演後の質疑応答の場で語られた言葉だ。 ホワイトハウスのサンダース報道官は直ちに「大統領の北朝鮮への見方は変わっていない」と否定している。 私は、お騒がせ発言で終わる可能性が強いと思っている。 しかし私がここで問題にしたいのはティラーソン発言の真偽ではない。 安倍政権の対応だ。 菅官房長官は記者会見で「日米首脳の考え方は100%一致していると確認している」と述べたらしい。 これは大問題の発言だ。 本当に確認したのか。 ホワイトハウスの誰に確認したのか。 真っ先に確認する相手はティラーソン国務長官であり、その発言の真意を、外務省を通じて国務省に確認すべきであるのに、なぜ外務省を通じてホワイトハウスに確認したのか。 これは外務省と国務省の間の外交が、安倍政権下ではまったく機能していないということだ。 ひょっとして、サンダースの報道官の否定会見を聞いてそう言っているだけではないのか。 それよりも、なによりも、なぜここまで慌ててティラーソン国務長官の発言を否定しなければいけないのか。 もちろんそれは、もし本当に米朝対話が始まれば日本は梯子をはずされるからだ。 それをおそれて慌てて否定したのだ。 その事自体が、安倍外交の自信のなさを見事に証明してる。 中国はすかさずこう反応したらしい。 「すべての情勢の緩和と対話解決の努力を歓迎する」と。 これこそが、安倍政権が真っ先に表明すべき言葉だ。 それが出来ずに、ひたすらトランプ大統領と金正恩の直接対話が行われませんようにと祈り続ける安倍政権は、みずから対米従属外交の誤りを認めたようなものである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)