□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年11月9日第874号 ■ ============================================================== 若者の「憲法離れ、日米安保離れ」は深刻である ============================================================== きょう11月9日の毎日新聞「メディア時評」で、沖縄国際大学非常勤講師の山本章子氏が書いていた。 10月26日の毎日新聞朝刊に掲載されていた世論調査では憲法関連本への関心が若者ほど低かったと。 これは最近の世論調査でよく指摘される事だから驚かない。 しかし、山本氏が次のように書いていたのには驚かされた。 つまり彼女が担当する学生では、先の衆院選において、普天間移転に反対する翁長知事率いる「オール沖縄」候補に投票した学生が約半数しかいなかったというのだ。 つまり、沖縄では県内4小選挙区のうち三つをオール沖縄候補が制したが、若者は必ずしも支持しなかったと山本氏は書いている。 そして彼女はこう続けている。 「戦争を否定する戦後の平和主義を支えたのは、太平洋戦争の記憶と米ソが世界を核戦争の恐怖に陥れていた冷戦という時代背景だった。だが、89年の冷戦終結および55体制崩壊の後に生まれた若者は、その記憶や時代背景を共有しておらず、かつての平和主義に共感しにくい」と。 そして、こう締めくくっている。 「支えが消失した平和主義のありかたを問う代わりに憲法関連本を読まない若者を非難する論調が、彼らの新聞離れや憲法への無関心を加速させていないか」と。 「学生の中には『オール沖縄は基地問題ばかりで経済政策がないから支持できない』との声がある。求められているのは、若者が、低賃金や非正規雇用の問題と同様に、基地問題や憲法もわがこととして感じられるような思想なのだろう」と。 この問いかけは深刻である。 辺野古阻止はもとより、沖縄の基地縮小、撤廃は無理だ。 この問いかけに対する答えは既存の護憲政党、政治家は誰も持ち合わせていない。 だからこそ安倍一強政治が続くのだ。 それを打ち破ろうとするのが新党憲法9条である。 新党憲法9条が奏功するカギは、若者を引きつけられるかどうかだ。 それは新党憲法9条の二大公約の中の、憲法9条を国是とすることと並んで掲げたもう一つの公約、すなわち、もうひとつの政治をつくる、と言う事である。 新党憲法9条が若者たちに夢を与えられるプロジェクトを提供できるかである。 その為には一つでも具体例を提示できなければいけない。 それをいま模索している(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)