□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年11月5日第867号 ■ ============================================================== トランプ、破れたり! ============================================================== きょう11月5日の朝日新聞が、中国の精華大学グローバル共同発展研究院の趙可金と名乗る副院長の言葉を掲載していた。 トランプ大統領のアジア歴訪を前にして、インタビューしたものだ。 その内容は要旨次の通りだ。 トランプ大統領は、同盟国の礼儀として日本と韓国の顔を立てて先に訪問しているが、本当の目的は中国にある。 こう前置きした上で、トランプ大統領と習近平主席の会談の重要テーマは三つあるという。 ひとつは、トランプ時代の米中関係をどう位置づけるかだ。 そして、これについては、中国が米国に頼る時代は終わった、先進的な技術も中国は自国で開発するようになり、特に一帯一路を提唱してから、中国が米国に求めるものは大幅に減った、むしろ「米国第一」を掲げるトランプこそ、安全保障上も経済的にも中国の助けを必要としている、と語っている。 二つ目は北朝鮮の核・ミサイル問題であるとして次のように語っている。 国連の制裁は非常に厳しくなっており、中国が出来る事はすべてやりつくした。あとは妥協点を見出して前に進むだけだと。 三つ目は貿易問題であるとして次のように語っている。 米国が貿易赤字を解消するためには、中国との関係が決定的となるだろう。協力関係を深めるのか、貿易戦争に突入するのか分かれ道だと。 そして、2期目に入った習近平はこれまでの5年間で自信を深めている、中国は覇権国家になろうとは思っていない、世界のリーダーは米国のままで構わない、だが、北朝鮮問題ひとつとってみても、もはや米国だけでは解決できなくなっている、米国が中国の助けを必要とするのなら、中国にとってもメリットがなくてはならない、と。 見事な指摘だ。 趙可金という副院長の言葉でさえ、これだ。 これは、習近平の中国の一致した考えである。 みずから米国を分断し、側近閣僚との間でも基本政策で齟齬のあるトランプ大統領の米国とは、わけが違う。 トランプ、敗れたり!である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)