□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年10月26日第837号 ■ ============================================================== 習近平一強時代の中国を正しく評価する宮本元駐中国大使 ============================================================== 基盤を強固にして二期目に入った習近平主席に対し、日本のメディア はこぞって批判的だ。 安倍政権の肩を持つ読売や産経は当然として、中国嫌いの東京新聞や、日米同盟重視の朝日までも、批判的に報じている。 そんな対中警戒論一色の中で、ただ一人、習近平体制を評価している有識者がいる。 宮本雄二元駐中国大使がその人だ。 1969年にともに外務省に入ったかつての20名の同期生の一人だ。 宮本大使が一貫して言い続けていることは、習近平主席が一強体制に邁進するのは、米国に追いつき、追い越して中国を世界一の大国にするという中国の夢の実現であるが、最優先するのはあくまでも経済であり、14億の民の暮らしを向上させることだ、そのためには、米国との軍事的対立を巧みに避けるだろう、ということだ。 私もそう思う。 今度の人事で中国きっての米国通である楊潔篪国務委員を政治局員に昇格させたのもそのあらわれである。 そして、宮本大使は安倍政権や取り巻きを忖度して慎重な言い回しに終始しているが、強い指導力を持つようになった習近平主席をいたずらに警戒・批判するのではなく、歩みよるべきだ、政治問題を棚上げして、経済協力関係の強化を急ぐべきだ、習近平主席もそれを望んでいる、といわんばかりだ。 これも同感だ。 どうせ関係を改善しなければいけない習近平主席との関係である。 早ければ早い方がいい。 トランプ大統領との関係強化よりも、安倍首相が急ぐべきは、側近や親中派の政治家まかせではなく、みずから習近平主席の懐に入って、習近平主席との首脳関係を改善することだ。 そのことは、とりもなおさず、対米国、対ロシア、対韓国外交において 有利に日本を有利に立たせる優れた外交でもある(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)