□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年9月14日第742号 ■ ============================================================== 日本国民はこのまま黙ってトランプ訪日を歓迎していいのか ============================================================== きのう9月13日の朝日新聞が一面でトランプ大統領の11月4-6日の来日をスクープ報道し、きょう14日の各紙が一斉に後追い記事を掲げた。 朝日のスクープと書いたが、実はこれはスクープでも何でもない。 今年2月に安倍首相が訪米し、トランプ大統領と初会談をした時、訪日を招待し、トランプ大統領がそれを受け入れていたからだ。 11月にベトナムで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の前後に、日本だけでなく中国や韓国を訪れる事は、もはや規定路線になっていた。 各紙が報じる記事の内容も目新しいものは何もない。 11月初めといえばもうすぐだ。 米国大統領の公式訪問であるから、その準備は周到に進められているはずだ。 それにもかかわらず、これまで、トランプ来日の事がまったく報じられなかった事の方が異常だ。 なぜトランプ来日のニュースが報じられなかったのか。 それは、安倍首相としてはあまりはやくから話題にされるとつまらない事になるからだ。 思い出してほしい。 トランプ大統領が誕生した時、安倍首相より早くトランプ大統領と首脳会談を行った主要国首脳は英国のメイ首相だった。 あの時メイ首相はトランプ大統領の訪英を招待し、トランプ大統領はこれを喜んで受け入れた。 しかし、その後、英国民の間で、あんなトランプをエリザベス女王に会わせるわけにはいかないという激しい反発が起き、結局トランプ大統領の訪英は事実上の棚上げ状態になった。 それを見た安倍首相は、日本でも反対運動が起きるのをおそれて、直前までトランプ大統領の来日を発表したくなかったのだ。 ところがいよいよAPEC首脳会議が近づき、米中首脳会談も固まった今、中国に遅れてはならないとばかり、政府筋が流し始めたのだ。 なぜ朝日がいち早く書いたのか。 それは朝日が安倍首相に批判的だからだ。 こんな訪日を日本国民は歓迎していいのか、と国民に問うているのだ。 その朝日が、他紙に先駆けて、きょう9月14日の紙面で教えてくれた。 安倍首相はトランプ大統領の初来日の日程の中で、ゴルフをすることを考えていると。 同伴するゴルファーの調整も進めていると。 こんなパフォーマンを許していいのか。 しかし、朝日が書かないもうひとつの大きな問題がある。 それはトランプ大統領の天皇陛下謁見だ。 北朝鮮への先制攻撃をも辞さないようなトランプ大統領を天皇陛下はどのような気持ちで迎えるのだろうか。 これは安倍首相のさらなる天皇陛下いじめではないのか。 アングロ・サクソン同盟の英国民でさえ、トランプを女王に会わせるわけにはいかないと一大署名運動を起こし、トランプの訪英を延期させたのだ。 日本国民は、このまま黙ってトランプ大統領の来日を許し、安倍首相の支持率回復に手を貸していいのか。 朝日新聞はそう言っているのである。 日頃から朝日批判を繰り返す私だが、この朝日の問いかけには全面的に賛成である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)