□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年8月25日第685号 ■ ============================================================== 安倍対ロ外交の欺瞞を象徴するロシアの陸上イージス導入反対 ============================================================== 朝日新聞の駒木明義モスクワ支局長が、8月21日の紙面で、「日ロ交渉厳しい現実」と題して書いていた。 安倍首相は9月、ウラジオストックを訪問してプーチン大統領と今年3度目の首脳会談に臨む予定であるが、日本が望むような北方領土問題の解決は困難だと。 ロシアから見れば、米国の強固な同盟国である日本に領土を引き渡すことは、アジア太平洋地域での米国の影響力強化を助けるようなものだからだ、と。 駒木支局長に指摘されるまでもなく、昨年12月の日ロ首脳会談に際して、プーチン大統領みずから安倍首相に引導を渡した。 北方領土を返して欲しければ日米軍事協力関係を見直せと。 この時点で、もはや北方領土問題と日米軍事同盟強化は両立しなくなったのだ。 それにもかかわらず、安倍首相はますます日米軍事同盟関係最優先を鮮明にしてきた。 その行き着く先が、安倍首相の北朝鮮有事に備えたミサイル防衛強化策の数々だ。 ついに陸上イージスの導入まで来年度予算で導入する事にした。 たまりかねてロシアが陸上イージスの導入に待ったをかけた。 きょう8月25日の毎日新聞がモスクワ発杉尾直哉支局長の記事で教えてくれた。 すなわち、ロシア外務省のザハロワ情報局長はきのう8月24日の定例記者会見で次のように語ったというのだ。 「(陸上イージスについて)配備されれば、極東地域への真のミサイル脅威となる」と。 おりから韓国は高高度ミサイルシステム導入を決定したために中国政府から徹底的に報復されている。 ことほど左様に、安全保障政策は二国間関係に直結する重大な政策であるということだ。 北方領土問題と日米軍事同盟強化の二つを同時に実現しようとする安倍外交は支離滅裂だ。 日本国民を馬鹿にした欺瞞外交に他ならない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)