□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年8月9日第634号 ■ ============================================================== 新党憲法9条は米国への忖度を拒否する政党である ============================================================== きょう発売の週刊新潮最新号(8月17日・24日号)の中にある、フリージャーナリス徳本栄一郎氏の手になる「安倍首相が甦らせたマッカーサーへの忖度」という記事は国民必読である。 森友・加計疑惑で時の言葉となった忖度という言葉であるが、実はこの言葉がもっとも頻繁に使われたのはマッカーサーによる占領時代であったという。 徳本氏はこの言葉がはじめて国会で使われた日露戦争後の1909年から、高度経済成長に入った1957年までの国会議事録をしらべ、議事録の中で一番頻繁に忖度という言葉が使われたのがマッカーサーによる占領時代であったことを教えてくれる。 吉田茂がマッカーサーに忖度し、野党である社会党の前田種男議員がマッカーサーに忖度し、一万田尚登日銀総裁がドッジGHQ財政金融顧問に忖度している。 その事を徳本氏はこう書いている。 「小学校への国有地売却や獣医学部新設どころの話ではない。政府の外交や経済政策、はては電力業界の再編まで国のあらゆるかじ取りがGHQへの忖度で動いていた。この吉田総理以下の要人による、いじましいとも映る態度の背景には当時のGHQ、とくにマッカーサーの圧倒的な存在感があった・・・」と そして徳本氏は太宰治の次の言葉を教えてくれる。 「民主主義の本質は、それは人によっていろいろに言えるだろうが、私は、『人間は人間に服従しない』、あるいは、『人間は人間を征服できない、つまり家来にすることができない』、それが民主主義の発祥の思想だと考えている・・・」 そして徳本氏は次のように締めくくっている。 安倍総理は日本国憲法を含む戦後レジームからの脱却を掲げるが、その政権運営がGHQと似ているがゆえに忖度を生んだとすればあまりにも皮肉すぎる。太宰ではないが時代は少しも変わらないのだ・・・吉田総理には悪いが、戦後の日本外交には絶えず対米追従、従属との批判がつきまとってきた。戦後レジームからの脱却を目指す安倍首相は、今こそ、米国への忖度拒否を宣言してみたらどうだろう」 新党憲法9条のキャッチコピーがまたひとつ見つかった。 新党憲法9条は米国への忖度をしない政党である。 これこそが既存の政党、政治家の真似のできない事である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)