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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

見事に奏功した安倍・田原合作の憲法9条改憲棚上げ戦略
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年8月7日第627号 ■   ==============================================================   見事に奏功した安倍・田原合作の憲法9条改憲棚上げ戦略  ==============================================================  どうやら安倍・田原の憲法9条改憲棚上げ戦略は見事に成功したごとくだ。  私がなぜ合作と書いたかと言えば、憲法9条改憲の棚上げは、あながち田原氏ひとりが一方的に提案したというものではなく、安倍首相もその気になって積極的に推し進めたと思うからだ。  内閣改造ぐらいで支持率回復は無理だ。  これは田原氏が安倍首相に政治決断を迫った時に伝えた言葉だといわれているが、安倍首相自身もそう覚悟していたに違いない。  そして内閣改造後の世論調査は、その懸念が正しい事を証明してくれた。  ついに、きょう8月7日の朝日がはっきり書いた。  朝日の世論調査では、内閣支持率も不支持率も、そして不支持率が支持率を上回っている事も、内閣改造前とほとんど変わっていないと。  安倍首相を信頼できないと答えた者も、いまも圧倒的多数のままだ。  この認識があったからこそ、安倍首相は田原氏と、どうすれば危機を乗り超えられるか真剣に語り合ったのだ。  そしていろいろな案が出たが、二人が最後に辿り着いた結論が憲法9条改憲の棚上げだったというわけだ。  この憲法9条改憲棚上げの狙いは、支持率回復ではない。  支持率の回復は無理だ。  そうであれば、支持率が回復しなくても、政権を存続させるにはどうすればいいかだ。  その通りである。  憲法9条改憲棚上げ本当の目的は政権の延命なのだ。  宿願の改憲を棚上げしてまでも政権延命を優先させたのだ。  この事を、きょう発売の週刊プレーボーイ(4月28日号)で、元朝日記者で、いまはフリージャーナリストの川村晃司が教えてくれている。  つまり5月3日に思いつきでくちばし改憲案と日程をチャラにすれば、今度の総選挙で改憲派議員の三分の二を失ってもかまわない。  そう割り切れば、いつでも解散・総選挙に踏み切れる。  これこそが安倍首相が手にしたかったものだ。  安倍首相は解散・総選挙という切り札を切る事だけはあきらめない。  安保改正と引き換えに総辞職した岸信介の後悔を繰り返し聞かされて育ったからだ。  おまけに麻生首相の失敗例も見て来た。  だから、10月解散や、年内解散があるかどうかはわからないが、少なくとも来年の衆院議員の任期切れまで解散・総選挙を遅らせて野たれ死ぬ馬鹿な真似だけはしない。  そう決めているのだ。  そして、憲法9条棚上げは、その解散・総選挙戦略に見事に有利に働いたようだ。  いくら憲法9条改憲を棚上げしても、一旦口に出した途端、憲法9条改憲の議論はひとり歩きする。  そして議論がひとり歩きすれば自民党も野党も混乱する。  一番ダメージを受けるのは野党連合だ。  安倍首相が憲法9条改憲を棚上げしたというのに、民進党代表選は改憲が大きなテーマになり、どっちが勝っても分裂は必至だ。  そして解散・総選挙が近いという不安は、小池百合子に新党結成を急がせる。  きのうのテレビで若狭議員が細野支持に言及し、それを今日の各紙が一斉に取り上げた。  もはや政局は、ポスト安倍を巡って走り出したのだ。  しかし、新党が乱立すればするほど安倍政権は生き延びる。  少なくとも次の衆院選までは安倍政権は続き、そして解散・総選挙のカードは安倍首相が握っている。  そして保守は自民党か小池新党に向かい、どちらも改憲そのものには賛成だ。  共産党と共闘する野党は少数派となり、やがて社会党のたどった轍を踏む。  結局、9条改憲を最後まで反対する野党は共産党だけとなり、おそれる必要はどこにもなくなる。  かくして、日本の政治は、9条改憲と日米同盟重視で共通する二大保守党の時代が来る。  そうなれば、やがて国会が憲法9条改憲を堂々と言い出す時が来る。  その時まで、安倍首相が首相の座にいてもいなくても、改憲の道筋をつけたのは安倍首相ということになる。  これこそが安倍・田原合作の憲法9条改憲棚上げの目指すところである。  そうはさせないというのが、憲法9条こそ最強の安全保障政策政策だと正面から安保論争を挑み、国民を覚醒させる新党憲法9条である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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