□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2017年8月7日第626号 ■ ============================================================== 広島で防衛大綱見直しを表明した安倍首相と沈黙する護憲政党 ============================================================== 就任したばかりの小野寺防衛相が防衛大綱の見直しに言及したのは内閣改造直後の8月3日だった。 そしてきのう8月6日、広島の平和祈念式典に出席した安倍首相はその直後の記者会見で防衛大綱見直しをみずから表明した。 それを報じるきょう8月7日の日経新聞は、「防衛大綱の見直しは。3日の内閣改造に合わせ首相が小野寺五典防衛相に指示していた」と書いている。 日経が書くまでもなく、防衛計画大綱の見直しは、すでに安倍首相によって決められていたのだ。 いくら何でも、就任したばかりの小野寺防衛相が、防衛計画の見直しを言い出したなどということはあり得ないからだ。 そして安倍首相の防衛計画大綱見直し表明の後ろには、河野統幕長率いる自衛隊幹部の野心がある。 つまり、今度の防衛計画大綱の見直しは、自衛隊を重視し、自衛隊の権限を強化しようとする安倍首相と、それを歓迎する自衛隊の利害が一致した、日本のあらたな防衛政策なのである。 シビリアンコントロールの逸脱どころか、シビリアンのトップと制服のトップが一体となっているのだ。 もちろん、安倍首相も河野統幕長もこれ以上ない対米従属だ。 というよりも米軍至上主義だ。 おりから、軍人ばかりを重用するトランプの米国は、対北朝鮮圧力強化に前のめりだ。 当然のことながら防衛計画大綱の見直しは北の核ミサイル攻撃に備えたミサイル迎撃能力の強化が中心だ。 しかも、安倍首相は被爆地広島の平和記念式典の場で、それを表明する無神経さだ。 何から何まで、これ以上ない憲法9条違反だ。 それなのに、護憲政党は沈黙したままだ。 来るべき解散・総選挙に備え、それどころではないと言わんばかりだ。 本末転倒だ。 何のための護憲政党だ。 何のための野党だ。 何よりも、なんのための政治だ。 このままでは日本は日米同盟とともに滅ぶ。 核戦争に巻き込まれたらその瞬間に終わりだが、たとえ核戦争が起きなくても、日米同盟の強化で日本の命運は米国に握られることになる。 こんなことは絶対に許してはいけない。 いまこそ、憲法9条が最強、最善の安全保障政策であることを堂々と訴える新党憲法9条が、日本の政治に必要な時である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)