□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年4月27日第344号 ■ ========================================================= オバマ訪日を正しく評価した野中広務を見直す ======================================================== 私は野中広務という政治家の評価については常に懐疑的である一人だ。 自民党に反旗を翻そうとする政治家をことごとく潰し、常に自民党政権を守る事を優先してきた政治家であったからだ。 しかしきょう4月27日早朝に流されたTBSの時事放談の野中氏の言葉を聞いて見直した。 今度のオバマ大統領の訪日をどう評価するか。 それによって安倍政権側に立つか反安倍側に立つかがはっきりする。 メディアも評論家も、日米同盟強化やTPP交渉に関し、今度のオバマ訪日の成果を評価するものは安倍支持者であり、それに否定的な反安倍、少なくとも非安倍と見事に分かれる。 そのリトマス試験紙を適用すれば、時事放談で語った野中氏の言葉は見事な反安倍だ。反安倍でなくとも、少なくとも非安倍だ。 オバマ大統領が日米安保5条を口にしたのは、日本にいたずらに中国と敵対すべきでないとタガをはめ、自衛隊を地球の裏側にまで派遣する必要はない、と言っているに等しいと喝破した。 オバマ大統領が集団的自衛権行使を容認したのは、そういうしかなかった程度の話だと断じた。 そして麻生副総理のオバマ大統領のレームダック発言を噴飯ものの発言だと非難する。 見事な評価だ。 それに比べ、同席していた古賀誠は今度のオバマ訪問は安倍首相にとって成功だったと評価した。 いつもは野中氏の意見に追従する子分格の古賀氏であるが、安保条約5条適用についてはそれをオバマ大統領に言わせた安倍首相の勝利だと言わんばかりだ。 消費税増税の影響についても、国民生活を苦しめていると批判的な野中氏に対し、古賀氏は悪影響はそれほどでもなかったと、これまた安倍首相が喜ぶような話をしていた。 安倍首相に代わる者が不在であるという今の政局についても、野中氏は、代る者はいると思うし、出てくると思うが、高支持率がそれを出来にくくしている、メディアが皆安倍側についている、と言ったのに対し、古賀氏は安倍首相の手で戦後体制に決着をつけて欲しい、靖国問題を解決してほしいと、やはり安倍首相の応援をしている。 驚いたのは古賀氏が番組終了間際に述べた次の言葉だ。 すなわち安倍首相には日米同盟を強化して日本の安全保障を守ってもらいたいと明言した。 どうやら古賀氏は子分の岸田外相を首相にして自民党政権を維持し、宏池会復活を目指す事を本気で考えているかのごときだ。 これほどはっきりと野中氏と古賀氏の発言が分かれた事ははじめてだ。 はたして野中氏が言行一致を貫き、今後の政局において打倒安倍政権の側に立つのか。 たとえそうであっても今の野中氏に政局を動かす影響力が残っているのか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)