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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

大手新聞が報じない米国の日本に対する武器売込み攻勢の底なし
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月8日第864号 ■       ===========================================================     大手新聞が報じない米国の日本に対する武器売込み攻勢の底なし                                                                    ===========================================================    私は次期戦闘機購入の無駄遣いについてこのメルマガで何度も書い てきた。  ところが無駄遣いはそれだけではなかった。  米国の日本に対する武器売込み攻勢は底なし状態のごとくだ。  月刊テーミス12月号に「パネッタ国防長官の『対日軍事要求リスト』 の全貌」という見出しの記事があった。その内容は衝撃的だ。  すなわち10月末にパネッタ国防長官が就任後初来日した事があった。  あの時各紙は一斉に日米同盟強化の確認を求めるために来たと報じた。  それはその通りである。問題はその中身だ。  あの時各紙はその意味は普天間問題移設の決断を迫るための訪日だと 報じた。  しかしそれだけではなかった。パネッタは対日軍事リストを突き付け て購入を迫ったという。  ちなみに11月上旬に日経新聞主催の日米同盟に関するシンポジウム が開かれたことがあったが、そのシンポジウムに合わせてアーミテージ やペリーなどの国防族有力者がそろい踏みして来日したことがあった。  野田首相は彼らをわざわざ首相官邸に招き入れたことから、当時の報道 はTPP交渉参加の圧力をかけに来たと報じていた。  しかし、これもまたそれだけではなかった。武器売込み攻勢だったのだ。  テーミスのその記事はさらに続ける。  次期戦闘機は未完成で不備であるにもかかわらずロッキード・マーチン 社のF-35で決まるだろう。  そこでその見返りとして今度は対潜哨戒機はボーイング社のP8Aを買 えと米国は迫るだろうと。  そしてこの米国の要求は日本にとっては絶句させられるものだという。  なぜならば次期対潜哨戒機については国産開発機とするのが防衛省と 国内武器産業の悲願だからだ。  すなわち日本が90機以上保有する米国製の対潜哨戒機P3Cの後継機 として防衛省は足掛け10年の歳月をかけて国産開発に乗り出してきた。  それが米国の圧力により断念せざるを得なくなるからだ。  そもそも次期戦闘機FXの場合もそうだった。  国産機を次期戦闘機にするつもりが米国の圧力に負けて共同開発機と することで妥協したが、米国はその共同開発機に不備が見つかったことを 理由に米国機の導入を迫ったのだ。  こうしてどんどんと日本は米国製武器購入の虜になっていった。  しかも米国の要求は対潜哨戒機だけではない。  横田基地防衛のための新型地対空ミサイル防衛網など、在日米軍基地の 「再武装プロジェクト」までもがその要求リストに含まれているという。  まさに米国の武器売込み攻勢は底なし状態なのだ。  官僚に日米同盟の深化を丸投げしている野田首相や玄葉外相、一川防衛 相では米国の要求をはねつけることは100%無理だ。  どんどんと国民の金が米国軍需産業に吸い取られていく。  そして、そのテーミスの記事の極めつけはその記事の最後の部分だ。  すなわち普天間基地移設はもはや無理だ。それを米国も認識している。  それにもかかわらず、普天間基地移設問題を解決できなかった野田政権 の責任をせめる。  そしてその見返りに米国の対潜哨戒機を買えと要求するのである、と。  なるほど、これなら合点がいく。  普天間基地問題の裏にはこういう事情があるのだ。  これを指摘する大手新聞は皆無である。                                了   ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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