□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2010年12月23日発行 第271号 ■ =============================================================== 米国から見捨てられた谷垣自民党 =============================================================== 今日(12月23日)日の大手新聞の記事の中で私が最も注目したのは、 日経新聞が報じていた「谷垣自民党総裁の訪米中止」という記事である。 とりあえずその事について書いておく。 これほど重要な記事であるのに日経しか報じていなかった。しかも見落と すような小さな記事だった。 それによると、来年1月11日―16日の日程で訪米を予定していた谷垣 自民党総裁が、米政府要人との面会日程が入らずに訪米を断念したことが 22日明らかになった、というものである。 これは、米政府がもはや谷垣自民党総裁に会っても意味はない、と判断した ということだ。 有体にいえば、もはや自民党は米国政府に捨てられたということだ。 さすがの米国も日本の政局にあきれ果て、誰が首相になってもまともに相手 にしなくなっている。 どうせろくな政権しか出来ないのであれば、何でもいう事を聞く菅首相が このまま続いたほうがやりやすい。 菅直人という政治家はおよそ米国にはなじまない政治家だ。米国にとって は決して評価出来ない政治家である。 しかし、もはやそんな事はどうでもいい。絶対服従してくれればいいのだ。 いま米国は菅民主党政権をそう見なして、菅民主党政権が続いたほうがいいと 思っているに違いない。 戦後の日米関係は対米従属の歴史であったが、米国に好かれずに対米従属を 加速させる。それが菅民主党政権下の日米関係なのである。 最悪のパターンである。 それでも米国が支持する限り菅政権は安泰である。 このニュースを知って菅首相はますます強気に出てくるだろう。 小沢も自民党も米国に相手にされないとなると菅首相を倒す敵はいない。 唯一の敵は国民の反発だけれど、支持率が1%になっても辞めないというの だから怖いものは何もない。 おまけにメディアがそれを後押ししている。 強気に出るはずである。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)