□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年8月4日発行 第44号 ■ =============================================================== 自民・民主の大連立を願う朝日新聞の社説を疑う ================================================================ 予算委員会の質疑の低調ぶりを見てつくづく思う。 自民党の国会質問はおよそ野党のそれではない。もはや自民党には政権を民主党 から奪い返すといった気迫も能力も無い。 その一方で菅民主党は低姿勢だ。財政再建という至上命題の前に自民党の意見も 取り入れてともに解決策を見出して行きたいと繰り返す。 革命政権を成し遂げたと国民に期待を抱かせたあの高揚感ある民主党のかけらも ない。 これでは、国民が期待していた健全な二大政党制の実現はおぼつかない。 すなわち、官僚との持たれ合いによる自民党の永久政権を打破する。そのために 民主党に政権を取らせる。 しかしその民主党が国民の期待を裏切るような事になれば更なる政権交代を迫る。この繰り返しによって本物の国民主権の政治を実現していく、これである。 そのためには与野党が国民の前で違いを鮮明にして激論しなければならない。 国民の前でその違いを明らかにし、その是非を国民に委ねなければならない。これが、我々が望んでいた政権交代ではなかったのか。 ところが、もはや消費税増税は当然のごとくであり、日米関係をゆるがせない ために普天間問題の解決を急ぐといい、官僚はうまく使いこなさなければならない のだという。 国会質疑がつまらなくなるはずだ。 そう思っていたら、8月3日の朝日新聞がこれを歓迎する社説を掲げた。 「与野党の姿、新たな兆し」と題するその社説は最後にこう結論付けている。 「・・・政治の停滞を許さない日本の苦境が、野党に『大人のづるまい』を促す。 首相はそれに応え、幅広い合意を取り付ける努力を努めるべきである。」 これは一見もっともなように聞こえる。 しかしそれは取りも直さず自民と民主との大連立を促しているのだ。 民主党でも自民党でもどちらでもいいから、政・官・財が一体となって日米同盟 と大企業優先の政策を進め、混乱しかかった日本を再び強くしなければならない、 そう言っているのだ。 そしてそれはまさしく米国が願っていることである。 読売や産経がそう書くならわかる。 しかし朝日新聞が率先してそう社説に書く時代になったという事だ。 我々はよほど気をつけないとメディアに影響されてその気にさせられてしまう。 了 おしらせ 「さらば日米同盟」の出版記念講演が近づいてきました。 政治評論家の森田実さんの特別参加を得て次の要領で行ないます。 私の思いを語り、森田さんに私の質問をぶつけます。乞うご期待。 13:35-14:00 天木直人「出版の意図を語る」 14:05-14:45 森田実 「特別講演」 休憩 15:00-16:00 天木直人・森田実対談(司会天木) 16:00-17:00 聴衆との応答(司会天木) 日時 8月8日(日) 午後一時開場 場所 赤坂区民センター大ホール 港区赤坂4-18-13 地下鉄銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 A出口徒歩10分 大江戸線・半蔵門線 青山一丁目駅 4番出口徒歩10分 参加 無料(予約の必要はありません。直接会場へお越し下さい)。 (連絡先:春田 090-2415-7617 u12u9lo6@image.ocn.ne.jp ユー12ユー9エルオー6)
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)